東彼・川棚町で稲刈りが行われました。
農作業の負担軽減を目指す「スマート農業」の実証実験として6月から始まった米作り。その出来栄えは?
川棚町の山間部にある「日向の棚田」。日本の棚田百選にも選ばれています。20軒以上の農家が米作りをしていますが、過疎化が進み、後継者不足が課題となっています。
その負担を減らそうと、去年6月、川棚町と包括連携協定を結んだ長崎総合科学大学と、埼玉県のコイル巻線機の製造でトップシェアの「NITTOKU」がスマート農業技術を使った籾まきの実証実験をしました。
使用したのは「NITTOKU」が開発した「スマートカルティベートシート」です。「種籾」と「肥料」を挟み込み、水に溶ける天然素材で作られています。田んぼをシートで覆うため、日光を遮断して雑草が生えにくくなることや、道が狭く、農業用の重機が通れない田んぼでも「籾まき」が出来るのが特長です。
それから4カ月、約220平方メートルの田んぼに無事に立派な稲穂が実りました。
長崎総合科学大学大学院・生香月周さん(23):
「台風とかが今年結構強かったのが多かったから結構駄目かもしれんというのは聞いてたんですけど、結構良いねって。ここまでたくさん育っているとは思わなかったので、来てみて結構ビックリしました」
この日は、地元の米農家や「NITTOKU」の社員、長崎総合科学大学の学生ら15人が稲刈りに参加しました。約1時間半かけて70キロから80キロの稲を刈り取りました。
米農家・山中俊満さん(75):
「一般の我々がしている(米作り)よりか、種まき自体が1カ月遅いんですよ。後半天気も良かったですし、ぐんと追いつきましたね」
長崎総合科学大学総合情報学部・藤原章准教授:
「地元の方と、NITTOKUさんと我々学生と一緒になって汗をかいて、地域に貢献出来たなと感慨深いものがあります」
NITTOKUコア技術応用事業部・西田純一さん:
「場所場所でやっぱり日光の当たり方だったり、水の量だったり、その辺の管理とか、あとは自然環境に対してどう対策するかっていうのがまた課題になってくるかと思います」
(Q.実証実験は成功?)「大成功です」
収穫した稲穂は1週間から2週間にかけて天日干しされ、来月2日、4年ぶりに川棚町で開かれる「木場棚田だんだんまつり」で振る舞われる予定です。