地方創生の一環です。
東彼・川棚町で農作業の負担軽減を目指すスマート農業の実証実験が始まりました。
川棚町の山間部にある田んぼで行われたのは、スマート農業技術を用いた「籾まき」の実証実験です。
人口減少が進み、農業の後継者不足に悩む川棚町と去年6月、包括連携協定を結び、地方創生に取り組む長崎総合科学大学と埼玉県のコイル巻線機の製造で世界トップシェアの「NITTOKU」が共同で実施しました。
実験で使用するのは「NITTOKU」が開発した「スマートカルティベートシート」。水に溶ける天然素材の2枚の紙で、『種籾』と『肥料』を挟み込み、表面には無数の穴が開いています。
『種籾』は水に浸かると発芽し、約20日間かけて『苗』に成長します。参加者は足を泥だらけにしながら、約220平方メートルの田んぼに隙間ができないよう、丁寧にシートを敷きました。
参加した学生:
「今人手が足りていない農家さんなどに利用していただければなと」
田んぼをシートで覆うことで、日光を遮断して雑草が生えにくくなり、種籾が苗へと育つ約20日の間、農作業の手間も省けます。また、道が狭く、農業用の重機が通ることが出来ない地域の田んぼでも『籾まき』が行えます。
参加した米農家:
「どういうふうに育つか我々も楽しみですし、期待しています」
NITTOKUグローバル営業本部伊藤文廣顧問:
「(農家の方が)高齢にもなられているので、地域活性化や(シートを使うことで)有効的な時間が使えるようになると思います」
長崎総合科学大学総合情報学部・藤原章准教授:
「(地元の)子どもたちが川棚町を、故郷の思いを、シビックプライド(地域への誇りと愛着)を持っていただきたいと。より良い川棚町の発展に本学も寄与したい」
長崎総科大は今後、川棚高校の生徒たちと一緒に稲の収穫をするなど、若い世代に地元の「お米」の魅力を伝えていきたいとしています。