原爆で負傷した人たちの「救援列車」を語り継ぐ市民グループが制作した短編アニメーション作品のお披露目会が大村市で開かれました。
原爆が投下されたあと、約3500人の負傷者を諫早、大村、川棚の各学校の救護所や海軍病院などへ運んだ「救援列車」。それを地元の子どもたちに伝えようと2013年から活動する「松原の救護列車を伝える会」は、去年8月から短編アニメーションの制作に取り組んできました。
松原の救護列車を伝える会・田口哲也会長:
「作り始めてここまであっという間でしたけど、きょう子どもたちに見ていただいて、どういう反響があるか楽しみでもあるし、今後どういうふうに僕たちの活動につながっていくか楽しみでもある」
大村市立松原小学校の児童80人と保護者、地域住民に初めてお披露目しました。4分半の短編アニメーションは、当時、松原小学校で救護活動をした衛生兵で、2013年に亡くなった福地勝美さんの証言をもとにしています。耳を塞ぎながらも、画面から目を背けず、アニメを見る子どももいました。
松原小学校6年生・カイリー友姫さん(12):
「松原の人たちが被爆された方々を一生懸命に救護した姿をみて、私も誰にでも優しく困っている人がいたら助けていきたい。そして二度とこのような戦争が起きないように、松原の救護列車のことを色々な人に伝えていきたい」
故・福地勝美さんの次男、邦彦さん(66)は福岡から足を運びました。
故・福地勝美さんの次男・邦彦さん(66):
「親父から話は聞いていて、(親父が)本当に言いたかったことが映像になっているというのが感動ですね。これ(救護列車の語り継ぎ)は絶対絶やしたらいかん。このアニメも全国の人に見てもらいたい」
松原の救護列車を伝える会・村川一恵さん:
「朗読劇よりもなおさら集中して目が釘付けっていう表現がぴったりのような感じで、本当に集中して聞いてくれていてアニメにしてよかったと思いました。今も全世界で起こっている戦争の中で産まれている悲劇なんだよっていうことを感じてもらうとか気付いてもらうきっかけになってほしい」
「松原の救護列車を伝える会」は7月中旬からクラウドファンディングでこの短編アニメの制作費を賄う寄付を募ります。