被爆から79年となる8月9日の長崎平和祈念式典で市長が読み上げる平和宣言文の内容がほぼ固まりました。
鈴木市長を委員長に被爆者や有識者ら15人の委員で組織する起草委員会の最終会合が6日(土)、原爆資料館で開かれました。
市は5月以降二度の会合で出た意見を踏まえ、練り上げた修正案を示しました。被爆者が綴った詩や、核戦力が高まる世界情勢、長崎の若い世代の活動に触れ、日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准などを訴える内容です。複数の委員が求めていた「長崎を最後の被爆地に」という文言も盛り込まれました。
一方、前回素案に盛り込んでいたイスラエルという国名を削り「中東における武力攻撃が深刻化」と言い換えたことについて委員からは「もっと具体的に表現しても良いのではないか」という意見が出ました。更に「国家補償に基づく被爆者の援護を要請してほしい」国に救済を求める文言を入れた「『被爆体験者』の説明を入れるべき」などの意見も出ましたが、大筋では全員が同意しました。
鈴木史朗長崎市長(56):
「一部の国のみ列挙することによってバランスが取れない、あるいは、本来こちらが長崎市として訴えたいことがかすんでいくんじゃないか。被爆体験者の皆様の年齢が高齢化が進んでいる中で一刻の猶予も許されない状況。そういう中で一日も早い被爆体験者の救済を求めるということ、そこはしっかりと平和宣言文の中で盛り込ませていただきます」
市は最終会合での意見を踏まえて更に修正を加え、7月末ごろ骨子を発表します。