長崎から世界に挑む女子高生を全力応援です。舞台は「ドバイ」。アジアの頂点を目指す長崎日大高校3年、松田晏奈選手(17)の思いに迫ります。
4月24日(水)中東のUAE=アラブ首長国連邦のドバイで開幕する20歳以下のアジア陸上選手権。(第21回U20アジア陸上競技選手権大会)長崎から唯一、日本代表に選ばれたのが…長崎日大高校3年の松田晏奈選手17歳です。
出場するのは、女子100mハードル。100mの間に、高さ83.8cmのハードル10台を飛び越えます。今回のアジア選手権の開催地「ドバイ」の印象を聞いてみると…「高い建物があるみたいな...。お金持ちの国。」
天真爛漫な笑顔の松田選手を指導するのが、軽やかにハードルを飛び越えるこの人。長崎日大のOBで110mハードルの元県記録保持者、溝上仁志コーチ45歳です。松田選手は、ハードルを跳ぶときの「距離」に強さの秘密があると言います。
【長崎日大・溝上仁志コーチ(45)】「ハードルの遠くから踏み切る。(他の選手と比べて)靴で言ったら半足くらいは遠くから踏み切ってる。(遠くから踏み切るメリットは)どうしてもハードルの近くから踏み切ってしまうと、上方向に踏み切ってしまう。走ってきて推進力が上に逃げて、着地したときにブレーキがかかる。遠くから踏み切って水平方向に推進して、着地して走っていく。」
そんな松田選手が今回、日本代表に選ばれる大きな要因になったのが、去年10月の鹿児島国体でのレースでした。国体の予選予選から大会新記録で、高2歴代最高の13秒38(+1.6m)をマーク。好記録誕生の裏には、課題の克服が関係していました。
「自分の弱いところが人と競った時に自分の走りが出来なくなって崩れてしまって。」県内で圧倒的な強さを誇る松田選手にとって、県内のレースでは序盤で抜け出すため、他の選手との競り合いの中で走ることを課題としていました。
課題克服へ、一役買った人物の存在が…。「優衣ちゃんのおかげです。」2学年下で、当時西諫早中3年だった、吉永優衣選手です。県内の強化合宿で、16歳以下のカテゴリーで国体出場の吉永選手と、横に並んで何本も火花を散らしました。
「競う感じでやっぱりお互い負けられないのでガチになって走れた。メンタルが強くなりました。自信がついた。」
国体の予選課題を克服し、全国の大舞台でも、今回共に代表に選ばれた谷中選手(大分雄城台3年)が隣にいる中、競り負けませんでした。「自分の走りができた。あんまりタイムとか意識してなかった。その記録が出た時はびっくりした、こんなタイム出るんだって思って。」
松田選手にとって妹のような吉永選手は、この春から長崎日大へ入学。後輩のためにも、負けるわけにはいきません。
【長崎日大1年吉永優衣】「ドバイで取ってきてもらいます。1位を!」
チームメイトに見送られ、ドバイに向け長崎を出発。「自分の走りができるように、そんなに日本代表とか色々気負わず頑張りたい。」
20歳以下のアジア陸上選手権は、4月24日開幕します。「優勝目指して頑張ります。」