「原爆の父」とされる物理学者の生涯を描いた映画『オッペンハイマー』の公開を記念したトークイベントが14日、長崎市で開かれました。
ユナイテッド・シネマ長崎で開かれたジャパネットたかた創業者の高田明さん(75)と「長崎県被爆者手帳友の会」の朝長万左男会長(80)のトークイベント。今年のアメリカ・アカデミー賞で7冠に輝いたクリストファー・ノーラン監督(53)の映画『オッペンハイマー』が先月29日に日本で公開されたことを記念して開かれました。
理論物理学者のロバート・オッペンハイマー(1904-1967)は、第二次世界大戦中のアメリカ・ロスアラモス国立研究所の初代所長として原子爆弾開発計画「マンハッタン計画」の指導者的役割を果たしました。映画は、オッペンハイマーが研究者として原爆開発にのめり込む姿や開発者として苦悩する姿が描かれています。一方で広島と長崎に投下され、合わせて21万人以上が死亡した原爆の惨状を描いた場面はほとんどありません。
トークイベントには約90人が参加しました。
長崎県被爆者手帳友の会・朝長万左男会長(80):
「こういう映画をアメリカが作れるようになったのは感慨深いものがあった。この映画というのは今からのアメリカの世論を導いていくのではないか」
ジャパネットたかた創業者・髙田明さん(75):
「なかなかアメリカの中で惨状を展示するとかは全く許されないっていうのが現実。今回の場合はこの映画がアメリカが作ったということは先生方の活動と同じように後押しするありがたい映画であるように思う」
平和な未来への実現に今、求められていることについては。
ジャパネットたかた創業者・髙田明さん(75):
「日本人は10年ほど(英語を)勉強しても読み書きは出来てもしゃべれない。こんな国際的な時代に読み書きできなくてもいいからしゃべる力・聞く力を付けていけばコミュニケーションができていくからこれを変えていくことは一つの平和教育になるんじゃないかと思っています」
長崎県被爆者手帳友の会・朝長万左男会長(80):
「対話を頻繁にやっていくともっともっと展望が開けていくのではないかと思うそのためにも今の戦争をなんとかやめさせないといけない。頑張りましょう」
映画『オッペンハイマー』はTOHOシネマズ長崎やユナイテッド・シネマ長崎、佐世保シネマボックス太陽で公開中です。