第169回の直木賞に諫早市出身垣根涼介さんの「極楽征夷大将軍」が選ばれました。地元からは喜びの声が上がっています。
作品は、室町幕府の初代将軍・足利尊氏を主人公とした歴史小説で、やる気や使命感のない人間がなぜ天下を獲れたのか、尊氏の生涯が描かれています。
作者の垣根涼介さんは諫早市生まれの57歳。県立諫早高、筑波大学を卒業後、2000年に作家デビュー。直木賞は3回目のノミネートでの受賞となりました。
垣根涼介さん:「(読者に)面白おかしく読んでもらって、読み終わった後に何かが残ってくれればいいなという小説を書こうと努力している」
地元・諫早の書店では受賞発表直後に特設コーナーを設けました。
オックスフォード貝津店・山本聡さん:「候補の段階で問い合わせもあったし売れていた。直木賞受賞というのは諫早(出身者)としては初めてなので、地元の人間としてはうれしい」
垣根さんと小・中・高の同級生・水田明光さん(56)は、小学生の頃から垣根さんの文章力に感心していたと話します。
水田明光さん:
(Q.垣根さんとのエピソードは?)「小説は、小学校の時に『ちょっと読んでみて』と彼が持ってきたその小説が場面転換などがすごくて、これは小学生の小説じゃないと思ったのを思い出した」
(Q.直木賞受賞を受けて)「ファンの1人としてもすごくうれしく誇らしい。本当に誇らしく感じている」
大石知事は「長崎県は歴史資源の宝庫。今後、本県を題材とした作品の執筆を期待します」との談話を発表しました。