ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から来月24日で2年を迎えます。ハウステンボスでウクライナ出身のアーティストが平和への思いを胸に歌声を届けています。
世界最大1300万球の光がヨーロッパの街にきらめくハウステンボスの「白銀の世界」。イルミネーションの点灯に合わせ場内で歌声を響かせるアーティストがいます。ウクライナ出身のアレク・パシコウスキーさん(37)とヴァディム・ベズブリャクさん(36)による男性ボーカルユニット「マキシマム」です。
アレク・パシコウスキーさん(37):
「ウクライナに住む人々が戦争前と後で分断された家族もバラバラになって私の家族もウクライナと日本に別れて暮らしている」
2人がハウステンボスで活動を始めたのは2014年。ロシアによる母国ウクライナへの軍事侵攻が始まってからも連日ステージに立ち続けています。活動の原動力となっているのは2人の活動を知った観客からの声援です。
アレク・パシコウスキーさん(37):
「観客からの『頑張ってください』『歌い続けてください』『ウクライナ出身と知っています』の声から活動を続ける力をもらっている。私たちはウクライナを代表して戦争を風化させないよう観客に向けて活動を続けています」
”長期化する戦争を風化させない”。さらに多くの観客に平和への思いを届けようと去年夏からは日本語の歌への挑戦を始めました。
18日、ライブ会場に2人の歌声を聴く1人の男性がいました。2人が歌う、坂本九さんの「上を向いて歩こう」の作曲を担当した中村八大さん(1931-1992)の長男で音楽プロデューサーの中村力丸さん(60)です。父の作った曲に平和への思いを込めて歌う2人の活動に共感し、今回、対談することとなりました。
中村力丸さん(60):
「彼らが日本の人たちに対する感謝の気持ち日本語で歌い表してくれることはとてもうれしいこと。いつかこの曲をウクライナで歌っていただく機会があることを心から望んでいる」
アレク・パシコウスキーさん(37):
「一番悪いのはみんな戦争に慣れてしまっていること。報道も少なくなり話題にも上がらない。平和について歌うことも大切ですが諦めずにステージ上に立ち続けることが人々にウクライナの存在を発信することにつながる」
歌声を通してウクライナの平和を願うマキシマムの2人。ホテルヨーロッパで毎週水曜を除く午後5時からのイブニングコンサートのほか、午後6時30分からの「白銀の世界」点灯式に出演しています。(月・火・金・土)