五島列島に生息するカエルの一種が新種であることが分かり、日本爬虫両棲類学会の学会誌に論文が掲載されました。
こちらが新種として記載されたカエル、「ゴトウタゴガエル」です。長崎女子短大の「カエル先生」こと松尾公則教授が、20年前に五島列島中通島の住民から「11月なのにオタマジャクシがいる」と連絡を受け、幼生を見つけました。
長崎女子短期大学・松尾公則教授:「タゴガエルは卵を産んで、オタマジャクシになるのは2月3月。だから10月にタゴガエルのオタマジャクシがいることはありえない」
その7年後、福江島で鳴き声が違うことに気づき、本格的な研究に入りました。松尾教授:「五島で(鳴き声を)初めて聞いた時に、岩の隙間からキャッキャッキャッキャッと聞こえた」
新種と確信した松尾教授は「北九州市立いのちのたび博物館」の江頭幸士郎さんと共同で研究を開始。研究の結果、DNAの構造の違いを見つけた江頭さんが8月、学会で新種であることを発表しました。
和名は「ゴトウタゴガエル」。世界共通の学名は「Ranamatsuoi」と名付けられました。
松尾教授:「長崎県だけの新種が見つかったというだけでもうれしいが、さらにそれに自分の名前をつけていただいたということで、最高の喜びをもらった」
ゴトウタゴガエルは五島列島の福江島、奈留島、若松島、中通島、野崎島に生息していて、10月、産卵期を迎えるということです。