島原半島に新たな観光コンテンツが誕生です。雲仙・島原の自然をヘリコプターから眺める遊覧ツアーのトライアル試走を雲仙観光局が公開し、体験試乗会を開きました。
山本光悦記者:
「雲仙観光局が12月から事業化を始める島原の周遊ヘリです。かなり小型です。今から試乗してきたいと思います。初めてヘリコプターに乗るのでドキドキとワクワクでいっぱいです」
雲仙市の雲仙温泉街を出発し、約40分間で島原半島をヘリコプターで遊覧する「オオルリ天空飛行」。雲仙でよく姿を現す鳥、「オオルリ」がモチーフです。
離陸してすぐ現れるのは雲仙・普賢岳の噴火活動でできた溶岩ドームで、標高1486mの県内の最高峰、「平成新山」です。
山本記者:
「ゴツゴツとした岩が目立ちます」
この日は天気が良く、山頂付近まで近づくことができました。自然の壮大さを間近で感じられます。「人と火山の共生」がこのツアーのテーマです。
雲仙観光局統括事業部・瀬戸正志部長:
「火山から人々がどういう恵みを受けているかなどが体感できるのがコンセプト」
西九州新幹線の開業効果もあり、観光客が増えてきているという島原半島。さらに認知度を高めようと雲仙観光局がこの遊覧ツアーを含む4つのコンテンツを企画し、今年3月、観光庁がインバウンドの回復を図ろうと進める観光再始動事業に採択されました。
定員は1回のフライトで2人、観光局の職員のガイド付きで回ります。
瀬戸部長:
「火山を上から眺めることはなかなかないことで、しかも海が近かったり人々がそこに暮らしているそういう地域は世界中探してもなかなかないと思う。それを体感できるのがヘリコプターかなと」
橘湾のマグマ溜まりが生んだ小浜温泉や、南串山のジャガイモ畑が広がります。高度は最高で約1500mまで上昇します。
山本記者:
「ヘリコプターはもう少し揺れるのかなと思っていたんですが、かなり安定したフライトを楽しめています」
島原半島の南の早崎半島上空にたどり着くと、ガイドさんが島原半島誕生の原点を教えてくれます。
雲仙観光局観光振興事業部ガイド・加藤奈保子さん:
「早崎半島の小山が海底からニョキって現れて噴火したことによって、島原半島ができたと言われている」
遊覧ツアーの後半は約400年前(1637年)、島原・天草一揆の舞台となった原城跡や、島原市の市街地上空を飛び、再び「平成新山」に近づいたあと雲仙温泉街に戻ります。あっという間の40分間でした。
加藤さん:
「火山の近くに人が住んでいるんだと驚くと思うが、じゃあそれだけの魅力がきっとあるんだろうなというところを私たちが紹介できれば」
瀬戸部長:
「九州に限らず、新幹線で関西・関東から来ていただくお客さんが多くなってきているので改めて雲仙という所を知っていただければ」
料金は2人まで搭乗できる1回のフライトで15万円前後になる見込みだということです。12月中旬からツアーを始める予定です。