新鮮で安全・安心な野菜や果物などの流通拠点、長崎市の中央卸売市場で初市式と初競りが行われました。
午前6時45分、「西方小天鼓」の勇壮な祝太鼓で幕を開けた長崎市中央卸売市場。
鈴木長崎市長:
「皆さん明けましておめでとうございます」
初市式には、鈴木市長や市場関係者、県選出の国会議員や県議・市議団など100人以上が集まりました。
式の冒頭、1日に発生した能登半島地震の犠牲者に1分間の黙とうを捧げました。
長崎でじま青果株式会社・加藤誠治社長:
「これからも新鮮で安心・安全な野菜や果物を市民の皆様の食卓にお届けすることで、地域社会の発展や、健康づくりに貢献したい」
初市式の後に始まった初競りでは県産ミカンやイチゴ、白菜、カブ、ネギ、ホウレンソウ、キャベツ、レンコン、ジャガイモ、トマト、ニンジンなどが次々と競り落とされました。
長崎でじま青果・加藤愛久専務(50):
「(去年は)8月の猛暑の影響で、9月・10月に野菜が全般的に高く、11月・12月はその後、安かった印象でした。(去年)9月・10月はタマネギ、ニンジンを筆頭に北海道産の品物がかなり高かったので影響は大きかった」
長崎市中央卸売市場の去年1年間の取扱高は野菜と果物合わせて5万7680トン、156億8437万9000円で数量はおととしの89%、金額は98%と、共に前年を下回りました。
県内の流通業界では去年4月、長崎大同青果が長果を吸収合併し、新たに「長崎でじま青果」が誕生。市場関係者は、2社の強みを合わせた「統合効果」に期待を寄せます。
加藤愛久専務:
「合併したことによるスケールメリットが出るので、全国に発信できるロット(物量)の部分で勝負できるかなと思う。(取扱量は)年々減少傾向だが、一番は生産者に入荷、持ってきていただくことが大前提となるので、生産者を守っていけるような販売をしていきたい。販路拡大と安定した価格で供給できるような取引をしていきたい」
度重なる天候不順や資源価格の高騰、円安による生産原価の上昇に加え、産地の高齢化という課題も抱えるなか、市場関係者はこの1年の安定した天候と供給、市場取引の活性化を願っていました。