長崎市で認知症の父親が行方不明になって7カ月。今も捜索を続ける家族が鈴木市長と面会し、市の捜索支援についてさらなる態勢整備を要望しました。鈴木市長の元を訪れたのは、長崎市の江東愛子さん(45)です。軽度の認知症を患っていた父、坂本秀夫さん(73)は今年4月16日、長崎市新中川町の自宅から散歩に出たまま、今も戻っていません。家族の名前や自宅の住所も言うことができ、一人で散歩をするのが日課でした。愛子さんは秀夫さんの捜索を呼び掛けるチラシを自費で約3000枚作成し、自治会などの許可をもらいながら長崎市内外の掲示板に貼って回り、SNSでも情報提供を呼びかけています。心無い中傷もある中、自宅周辺の風頭山(標高151.9m)や愛宕山(標高230m)金比羅山(標高366m)、烽火山(標高426m)の茂みの中などはもとより、わずかな情報を元に福岡まで捜しに行ったこともありますが、手掛かりはつかめていません。そんな中、愛子さんの投稿を見た鈴木市長が自ら協力を名乗り出て面会が実現しました。父・坂本秀夫さん(73)を捜す江東愛子さん:「こういうことができますよというのを一覧にしてあって、家族の方が選べるとスムーズに色んなことができると思う」愛子さんが、同じような境遇となった人たちが困らないようにと要望したのは、市の複数の部署や警察など関係機関にまたがる捜索支援の情報を一括して書面などで家族に伝えるリスト化です。また市が地域包括センターや介護事業所などに行方不明者の捜索協力を一斉に呼びかける「徘徊高齢者等SOSネットワーク事業」についても知らなかったとして、認知症の専門医を通じて家族への事業の更なる周知を要望しました。県外の自治体や警察へ行方不明者の情報を早期に提供するため、県や警察との更なる連携も必要だとしています。鈴木史朗長崎市長(56):「私の両親共にもう90歳で、他人事ではないなと思っています。誰にでも起こり得ることですから、しっかり考えないといけないなと江東さんのお話を聞いて改めて思いました」鈴木市長は支援情報の提供を1カ所の窓口で行うなど対応を検討したいと応じました。江東愛子さん:「手続きも色んな機関であっちに行き、こっちに行きというのは捜索をしながらだとすごく大変なのでそれも含めて一つの所で一括して出来たらいい」行方不明となっている坂本秀夫さん(73)は、身長150センチと小柄で、行方不明となった当日の服装は紺色のトレーナーに黒の長ズボン黒のスニーカーをはき、紺色の野球帽をかぶっていました。情報提供は長崎警察署、(095-822-0110)または江東愛子さん(090-6799-2987)までお寄せください。