犯罪被害者週間長崎大会で前川希帆さんが講演
飲酒運転の事故に巻き込まれながらも、その被害を乗り越え、音楽の道を歩む女性が長崎市で講演しました。南島原市の長崎県立口加高校の音楽講師で吹奏楽部顧問の前川希帆さん25歳。佐世保東翔高校吹奏楽部の3年生だった7年前(2013年)。大学の推薦入試に行く途中、飲酒運転の車の事故に巻き込まれ、前歯4本を失い、唇にも傷を負いました。今月25日からの「犯罪被害者週間」に合わせ、警察庁や県、県警、公益社団法人長崎被害者支援センターが開いた講演会にはおよそ100人が訪れ、前川さんと、恩師で東翔吹奏楽部顧問の中村明夫教諭(47)が登壇しました。中村教諭は「交通事故、飲酒運転も被害者になることは残念ながら防ぐことはできないと思いますでも、私は加害者になることを防ぐことは絶対に出来ると思う」と話しました。前川希帆さんは「自分自身が軽傷という報道を受けて、その後も色んな感情があって、どんな感情があって今に至っているのかはその人にしか分からないものがあるんだなと事故に遭って思った」と話しました。「なぜ自分が被害に」と何度も心が折れかけたと言いますが、今は「苦しんでいる人に寄り添える人になりたい」と恩師と同じ教員の道に進みました。前川さんは「決して良かったとは言えないかもしれないけど、自分自身としては事故に遭ってからこその経験がたくさんできたのでそれを生かしながらまたこれからも諦めずに頑張っていこうと思う。トランペットも必ずまた前以上にうまくなって音や自分の演奏で恩返しが出来ていければとすごく思っている」と話しました。たとえ軽傷であってもその人生に決して軽傷ではない影響を及ぼすこともある。事故に遭う前は、プロのトランぺッターを目指していた前川さん。そのひたむきな眼差しに大きな拍手が送られました。