【長崎】4年ぶり”庭見世”にぎわう 踊町で衣装や道具お披露目
4年ぶり通常開催の長崎くんちまでいよいよあと3日です。3日夜は「庭見世」。4日は「人数揃い」と関連行事が続き、街はくんちムードが高まっています。
「庭見世」は、かつて踊町の家々が表格子を外し、木戸口を開放して、家の中や庭を、道行く人に見せていたことに由来します。
宇佐美武史記者:
「本石灰町の庭見世場所は多くの人でにぎわっています。こちらでは荒木宗太郎とアニオー姫の衣装を飾っています」
17世紀の貿易商・荒木宗太郎が、妻でベトナム王族のアニオー姫との帰国を描く本石灰町の「御朱印船」。町のしるし「傘鉾」には「アニオー行列」が刺繍で描かれています。
本石灰町の根曳として出演経験のある長崎市出身の世界的庭園デザイナー、石原和幸さん(65)とのコラボも実現しました。
石原和幸さん(65):
「恩返しの意味を込めて庭を寄贈させていただいた。ぜひ根曳の皆さんは、一生懸命船をグルグル回して、長崎を盛り上げていただきたい」
「川船」を奉納する船大工町。長崎刺繍を施した船頭の衣装や傘鉾は明治時代から代々受け継がれています。「川船」は本番仕様に装飾を施しライトアップ。
Jチャン長崎「還暦記者どこへ?」でお馴染み、松尾記者と櫻田気象予報士も目を奪われていました。
松尾高志記者:
「きょう初めてこういう飾りをしてライトを当ててやっているのですごく豪華に見える」
櫻田雅信気象予報士:
「きらびやかで華やか。稽古している風景を街で見たことがあったが、色々装飾が施されてすごくかっこいい」
「本踊」を奉納する丸山町の庭見世場所は、かつての花街丸山の芸妓衆が心のよりどころにした梅園天満宮。傘鉾は町名を記した金色の額が輝き、諏訪・住吉・森崎の三社紋をあしらった垂は前日と後日で色を変えます。史跡「中の茶屋」では踊子の衣装が披露されました。
見に来た人:
「長崎っ子だからうれしい。本番で実力発揮してほしい。楽しみにしている」
下田朋枝アナウンサー:
「多くの人の目線の先にあるのは、鯨の潮吹きを奉納する万屋町の鯨です」
浜町のベルナード観光通りに飾られた鯨。(全長約6m)表面の生地が張り替えられピカピカです。多くの人がカメラに収めようとスマートフォンを向けていました。
長崎市民:
「こんなに間近で見られるのは感動した」
長崎市民:
「楽しい」
こちらは鯨捕りの船団を取り仕切る親船頭役の小学生が着る衣装です。唯一の長崎刺繍職人・嘉勢照太さんが前回10年前の奉納のあと約7年かけて作り上げ、今回の庭見世で初披露されました。前回10年前の奉納で新調した傘鉾の垂れには、立体的な16種類29匹の魚の長崎刺繍「魚尽し」が施され、市の指定有形文化財となっています。こんな仕掛けもー。
傘鉾の関係者:
「普段はこの状態だが、本場所で回した時にしか現れないフグです。フワッと垂れが上がった時にフグが現れる」
「本踊」を奉納する一番町・桶屋町。庭見世場所の中心には白い象がシンボルの傘鉾が置かれました。中学3年生の近藤礼音さん(14)ら6人の踊子や、子ども踊りの衣装も並びました。「阿蘭陀万歳」の栄町は、異国情緒あふれる衣装や、傘鉾を飾りました。祝い品の中には、奉納踊の様子をデザインした豪華なケーキもありました。
6町回った男性:
「久しぶりに見られて、おもしろいし、楽しみ」
6町回った女性:
「すごく町がにぎわっていて本番が楽しみ」