【長崎】映画「長崎の郵便配達」全国公開報告会
5年前(2017年8月30日)亡くなった長崎の被爆者、谷口稜曄さん(享年88)の思いをひも解くドキュメンタリー映画です。映画「長崎の郵便配達」が今年8月に全国公開されるのを前に長崎市で25日報告会が開かれ、監督らが思いを語りました。
長崎市で開かれた報告会には映画作家の川瀬美香さんや谷口さんの子どもらが登壇し、制作開始から6年経ち遂に公開を迎える映画に込めた思いを語りました。
川瀬美香監督は「谷口稜曄さんが体感したような経験をもとに映画化するなんてことにものすごく勇気が必要でした」と話しました。
16歳の時、爆心地から1.8キロの住吉町で新聞配達中に被爆し、背中などに大やけどを負い、2017年に88歳で亡くなるまで世界に向けて核廃絶を訴え続けた谷口稜曄さん。映画は元イギリス空軍大佐でジャーナリストの故・ピーター・タウンゼンドさんが谷口さんを取材し1984年にイギリスとアメリカで出版した小説「ナガサキの郵便配達」をもとに、タウンゼンドさんの娘が長崎で2人の思いをひも解く物語です。
川瀬監督は「皆さんと一緒に歴史を考えるきっかけになったら、自分が育てられるきっかけになったらうれしい」と話しました。
谷口稜曄さんの長女寺坂澄江さん(64)は「(父は)多分空の上からニコニコして見てるんじゃないかなと。平和のことも伝えられるし」と話しました。
谷口稜曄さんの長男谷口英夫さん(62)は「父をはじめ亡くなられた被爆者の思いやピーターさんの思い、一人でも多くの方に伝わって核兵器廃絶につながることを願っています」と話しました。
映画「長崎の郵便配達」は8月5日から全国の映画館で公開されます。6月29日には、長崎市のセントラル劇場で市内の高校生60人と一般抽選で30人を招待して試写会が開かれます。