長崎市で平和への願い語り継ぐ朗読会、「9日を忘れない」が開かれ、高校生らが被爆者の体験記を朗読しました。
「80年前の8月9日、長崎に落とされた原爆の悲劇を決して忘れないために。そして平和を思う願いを 語り継ぐために」
9日を忘れないー。
長崎に原爆が投下された8月9日にちなみ、毎月9日の午前11時2分に開かれる朗読会です。
「国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館」を拠点に活動する長崎市のボランティア「被爆体験を語り継ぐ永遠の会」が実施しています。
永遠の会代表・大塚久子さん(67):
「永遠の会は被爆体験記を朗読で伝える活動をするボランティアなので、数多く残されている被爆体験記をもうそれを 伝えることが出来なくなった被爆者の方々の代わりに 伝えていきたい」
結成して13年、会員の平均年齢は67歳を超え、ボランティアの拡充と朗読の継承につなげようとおととし、高校生から25歳までを対象にした若者朗読サポーター「永遠の会 U25」を立ち上げました。これまでに8人が加入しています。
9日(日)の朗読会では、初めてアンダー25のメンバー5人だけで朗読しました。
活水高校2年・坂井みきさん(17)去年12月加入:
「浦上川に沿って歩いた。顔の皮がべろりと剥けた女性がいた」
「川に下りる石段にはやけどでくろずんだ人々が並んでいた子どもからお年寄りまで みんなが水、水とうめいていた」
5人は、約60人の聴衆を前に被爆者一人ひとりの人生を「自分事」と受け止めてもらえるよう伝えました。
長崎南・岩永陽美さん(18)おととし4月加入:
「城山国民学校では例年300人の卒業生がいた 原爆ですべてを破壊された。だが、生きるのに精いっぱいでその日まで泣くことなんてできなかった。我慢していたものがあふれ出したようだった。誰ひとり涙を止められないまま14人に卒業証書が手渡された」
来館した親子:
「子どもにこういうのを聞かせたいと思って来たんですけどまるで映像が浮かび上がるくらいにジーンときてすごい朗読だと思いました」
「私たちも被爆2世3世として伝えなければいけないでしょうけどそういう力がないので
、実際に被爆体験を聞きたいけどこういう若い人たちから 聞けるというのはすごくいい時間だった」
活水高校2年・坂井みきさん(17)去年12月加入:
「朗読は大きな伝える力があると私は思っていてその朗読という手段を通して私たち若い世代が被爆者の方の思いを次世代に語り継いでいきたい」
長崎大学1年・本城舞さん(19)去年6月加入:
「自分たちが朗読を通して音声によってより被爆者の思いを鮮明に想像するきっかけに
なれればと思っています。来館された方に伝えることが出来たのではないかと思っています」
永遠の会代表・大塚久子さん(67)
「被爆者した人はいろんな年代の人がいらっしゃるし、一定の幅の狭い年代が伝えるよりは幅広い年代の人たちが伝えるのに取り組んでくれたらいろんな方の体験が伝わるんじゃないかな」
永遠の会では、若者サポーターを募集しています。対象は高校生から25歳までで朗読の経験は問わないということです。
問い合わせ:国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館 永遠の会事務局
TEL095-814-0055