Youtube

YouTube

2025/03/19

原爆資料館リニューアル 市の基本設計最終案が了承 日本の戦争加害展示は「今後、専門家の意見踏まえ検討」

2026年度以降を予定している長崎原爆資料館の展示のリニューアルをめぐり、長崎市は展示内容を協議する運営審議会で基本設計の最終案を示し、了承されました。

「基本設計」は、展示内容の大枠や方向性を決めるものです。

市は、去年11月に示した基本設計の素案の内容を一部修正し、被爆者や有識者などでつくる運営審議会で示しました。市民を巻き込むようになった第一次世界大戦に関する展示を明確化するため、新たな展示項目として、「世界戦争への道」を加えています。

一方、原爆投下に至る日本の歴史的背景をどう扱うかが議論される中、現在は映像や年表で説明している第一次世界大戦以前の日清戦争、日露戦争、南京大虐殺などについては触れませんでした。

長崎被災協会長・田中重光委員:
「核兵器のことを世界の人たちに本当に理解してもらうためにはやはり日本が行った侵略戦争の加害のこともはっきりと述べてほしい。今の展示よりも私たちは後退することについて、非常に危惧をしています」

市側は「現時点では決まっていない」としていて、新年度に入った7月以降、審議会で専門家の意見を踏まえて、決める方針です。

委員からは、ほかにも具体的内容を決める前に市が新年度予算に展示の更新費用約4億8千万円を計上したこと、市が新たに設置するとした「4つの核兵器の模型」や休憩スペースに対しても、疑問の声や見直しを求める声があがりましたが、最終案は審議会で了承されました。

委員から指摘されたこれらの指摘については市民団体からも鈴木市長らに対して、見直しなどを求める申し入れが出されていて、審議会後、市が団体側へ考えを伝えました。

世界に伝わる原爆展示を求める長崎市民の会・関口達夫さん:
「満州事変からだけの歴史ではカバーできない。その前からつながっている朝鮮の植民地支配も一緒に展示しなければ必ず(海外から)反発を受けます」

市側は「今後、展示内容をより詳細に議論することにしていて、確定したものではない」と説明し、理解を求めました。

おすすめ記事

原爆資料館「加害展示維持を」元文科事務次官の前川喜平さんやジャーナリストの金平茂紀さんが申し入れ

1/23(木) 19:45

原爆資料館「加害展示維持を」元文科事務次官の前川喜平さんやジャーナリストの金平茂紀さんが申し入れ

NCC公式アカウント

サイトマッププライバシーポリシーお問い合わせ

Copyright(C) NCC 長崎文化放送 . All rights reserved.