来年度以降に予定される長崎原爆資料館の展示リニューアルについて、元文部科学事務次官らが日本の加害の展示を縮小しないよう長崎市に申し入れました。
申し入れをしたのは元文部科学事務次官の前川喜平さんとジャーナリストの金平茂紀さんです。
原爆資料館の展示リニューアルについて長崎市は去年11月、第一次世界大戦から原爆投下に至るまでの歴史を紹介する内容の基本設計案を示しています。
申し入れでは基本設計案で日清戦争以降のアジア侵略や朝鮮・台湾の植民地支配の歴史が削除されていると指摘。第一次大戦以前の日本の加害に関する展示を縮小しないことを求めています。
元文部科学事務次官・前川喜平さん:
「加害の責任をちゃんと直視することで被害についても訴えることができるし、こういことは人類の歴史の中で二度とあってはならないということが世界の方々に伝わるのではないか」
ジャーナリスト・金平茂紀さん:
「(被爆80年に)日本被団協がノーベル平和賞を受賞したことも相まって注目が集まっている最中。ここの展示がどういう風に変わっていくのかは長崎だけの問題ではないと思っております」
同様の申し入れは今月10日市民団体も行っていて、全国のジャーナリストや大学教授ら20人が賛同しているということです。
申し入れを受け長崎原爆資料館側は「加害展示を縮小する方針ではない」とした上で「引き続き慎重に検討したい」としています。