イラン情勢の緊迫化による原油価格の高騰で、県内の様々な企業に影響が出ています。
宇佐美武史記者:
「諫早市のガソリンスタンドです。レギュラーガソリンの価格は1リットル当たり176円と表示されています。13日時点で、県内の店頭小売価格は178.1円で、全国で最も高くなっています」
13日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は2週連続で1リットルあたり170円を下回り、167.5円でした。3月は、中東情勢を受けて1990年の調査開始以来、初めて190円台になるなど大きく値上がりしていましたが、政府はガソリン価格を170円程度に抑えるため、石油元売り会社に補助金を支給していて、これが反映された形です。原油価格高騰の影響は県内の様々な企業にも直撃しています。
長崎市に本社を置くクリーニング店・パールドライは、季節の変わり目ということもあり、繁忙期を迎えています。洋服の乾燥やアイロンなどには重油やガスを動力源としたボイラーの蒸気を使っています。
パールドライ・三宅友専務:
「対策については、正直、無駄を出さないというところが一番で、ガスの方が燃焼効率が良くて二酸化炭素削減にもなるということでガスに変えました。エネルギー消費も若干変わってくるので」
水を使わないドライクリーニングには石油由来の溶剤が欠かせません。重油や溶剤は20円から30円ほど上がっていて、溶剤は再利用しているそうです。
パールドライ・三宅友専務:
「去年の一番上がった時に比べたら若干下がってはいるんですけど徐々に上がってはきている。著しく上がると厳しい状況であるかなと思っているんですけど、ならないことを祈るのみですかね」
影響はほかにも…。
パールドライ・三宅友専務:
「(Q.ハンガーやビニールも上がっているか)上がってますね。『3月から上がります』という通知が来てましたので10%上がりましたね」
こうした状況の中、値上げについては…。
パールドライ・三宅友専務:
「価格はなるべくお客様のためにも生活価格ということで出してますので、上げない方向でいきたいと思っています」
本土と離島を結ぶ旅客船を運航する「九州商船」は、船の燃料に重油や軽油を使っています。
九州商船船舶部・石垣学部長:
「(燃料油単価は)2月と比べて3月が約4割ほど上がりましたね。これはやっぱり大きな数字だと思いますね。価格もですけど、供給の確保もですね、今後も出来ていくのか不安を持っています。(Q.供給の確保が出来ないこともあるのか)可能性がないとは言えないと思います。今、そういう話も少し出てきていますので、不安材料としてはあります」
運賃の値上げについては…。
九州商船船舶部・石垣学部長:
「今の状況を注視して今後の動向によって検討していかざるを得ない。今すぐにということではないですけど」
燃料の供給が不安視される中、雲仙市の水産会社「天洋丸」では…。
天洋丸・竹下千代太社長:
「(燃料は)20円くらい一気に上がりましたよ、1リットル当たり。100円を超えたと前はびっくりしていたんですけど、今はもう120数円になってますもんね。今のところは出漁は支障がなく出来ているんでけど、燃油を買っているところは、いつ切れるか分からないので新規のところは断っているそうです。去年の実績相当での割り当てで買っているから、たまたま今年は量が無くて漁場が遠いんですよ。だから例年より燃油を使ってまして、今のところはないですけど、ひょっとしたら『今切らしていて出せない』という事態が今後発生する可能性があるとは言っていました。供給が減っていくようだったら、漁が確実に見込める日だけに出漁するとか、出漁も計画的に見合わせるというような感じになるんではないですかね」
漁に使う網や、魚を入れる発泡スチロールの箱も値段が上がっているそうです。
天洋丸・竹下千代太社長:
「一次産業の人というのは自分で値段をつけられないというのが一番のネックなので、『資材とかいろんなものが上がったので取れた魚をこれだけ上げますよ』というのが基本的に出来ない。魚の魚価というのはすぐに上がらないですから、その分は打撃をみんな受けるでしょうね」
中東やウクライナ情勢による原油価格の高騰。県は、影響が懸念される県内の中小企業者の資金繰りを支援するため、4月に特別相談窓口を設置しました。平日午前9時から午後5時半まで電話で受け付けています。