来年度の展示更新に向け、原爆資料館の運営審議会が開かれ、市は実施設計の最終案を示しました。
審議会で市は、最終案や実物大の展示イメージを提示しながら、被爆者や学識者など委員17人に意見を求めました。
展示更新を巡っては、現在、展示の年表にある「南京大虐殺」という表記を「南京事件」に変更する案に対し、市民団体が「旧日本軍による戦争加害の歴史を矮小化している」と見直しを求めています。
市は、中学・高校の歴史教科書のほとんどが「南京事件」と表記していることや、外務省の見解を考慮し、最終案でも変更に修正はないとしました。
被爆者・田中重光さん:
「日本の加害のことを薄めて展示しては理解がないんじゃないか。注釈をつけてでも南京大虐殺というのを説明をすべきだと私は思っている」
市は、17日の意見を踏まえ、3月下旬、修正した最終案を審議会に示します。その上で、今年度中に実施設計を策定し、来年度中のリニューアルを目指します。
このほか最終案には、デジタル技術を活用した新たな展示も盛り込まれました。来館者がQRコードを読み取ると、AR(拡張現実)で、原子爆弾がさく裂する仕組みを解説するアニメーションが再生されるコーナーや、核実験の映像をもとにした没入体験型の展示を取り入れます。
こうした映像に伴う「音の表現」をめぐり、委員からは、「五感で体験できることが原爆資料館の醍醐味」とする意見の一方で、「原爆の“音”は本来、再現のしようがない」「子どもにとってトラウマにならないか配慮が必要」と慎重な声も上がりました。