高市政権が非核三原則の見直しの議論を与党内で始める検討に入ったことを受け、長崎市の鈴木市長は18日、非核三原則を堅持するよう求めました。
鈴木長崎市長:
「非核三原則は国是とされてきている。我々としては非核三原則について堅持するように求めていきたいと思っております」
高市政権は「持たず、つくらず、持ち込ませず」とした非核三原則の見直しも含めた検討を行う方針で、自民党内では20日にも議論を始める見通しです。
高市総理は去年「持ち込ませず」の原則とアメリカの核の傘で抑止力を得ることは「絶対に矛盾する」と述べるなど、見直しを持論としています。
こうした動きに対し鈴木市長は「非核三原則の見直しは核抑止力への依存を強めるものだ」と述べました。
歴代の総理大臣は毎年8月9日の長崎原爆の日に行われる平和祈念式典で非核三原則を堅持する考えを示してきました。
2020年/安倍総理大臣(当時・故人):
「我が国は非核三原則を堅持しつつ、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取り組みをリードしてまいります」
今年の平和祈念式典で鈴木市長は平和宣言の中で、政府に非核三原則の堅持を求めていました。
鈴木長崎市長:
「地球上から核兵器を無くしていかないといけないという取り組みをしなくてはならない。そのためのリーダーシップを被爆国・日本が発揮しないといけないその根本原理となるのが非核三原則」
鈴木市長は高市総理に対し、核兵器廃絶に向けたリーダーシップを国際社会で発揮するよう求めた上で「被爆の実相に触れていただきたい」として被爆地・長崎への訪問を呼びかけました。
現時点で政府に対し、意見書を提出するなどの予定はないとしています。
一方、台湾有事が「存立危機事態」になり得るとした高市総理の国会答弁に対して長崎市と深い友好関係にある中国が反発し、自国民に対して日本への訪問自粛を呼びかけています。
鈴木長崎市長:
「国レベルの関係で厳しい状況にあっても大切なのは友好都市などの自治体レベルの交流や市民レベルでの草の根の交流。国レベルの関係をいい方向に動かしていければと期待しております」
鈴木市長は「これまで積み重ねてきた信頼関係や相互理解を一段と深めることが大切だ」と述べました。