総務省は、ふるさと納税の対象から雲仙市を除外すると発表しました。返礼品調達費用や募集費用のルールに違反していたといい、今後2年間、雲仙市に寄付しても税制優遇は受けられなくなります。
村上誠一郎総務大臣:
「ふるさと納税制度に対して信頼を損ないかねないものでありまして大変遺憾であります」
ふるさと納税をめぐっては、返礼品の調達や広報費、送料など寄付の募集にかける費用の総額は「寄付額の5割以下」とするルールがあります。総務省によりますと、雲仙市は去年9月末までの1年間で寄付額が約7億6900万円だったのに対し、募集にかけた費用は約4億3300万円でその割合は、基準を1割以上超える56.36%でした。
金澤秀三郎雲仙市長:
「市民の皆様の期待を裏切り、市政への信頼を失墜させ、財政運営への影響も避けられない事態となりましたことを、重ねてお詫び申し上げます。大変申し訳ありませんでした」
要因としては、市が去年6月に行った見込み調査で割合の算出に誤りがあり、その後も実績調査や総務省への相談を怠っていたためとしました。
雲仙市は9月30日(火)から2年間、ふるさと納税による寄付を受け付けることができなくなり、雲仙市に寄付をしてもふるさと納税での税制優遇は受けられません。返礼品を提供している事業者からは不安の声が聞かれました。
雲仙市南串山町の水産会社「天洋丸」の竹下千代太社長は「今後出品を増やしていきたいと考えていたので残念」と話しました。雲仙市で野菜の生産や加工をしている会社は、「まとまった注文が期待できなくなるので影響は大きい」としています。
雲仙市のふるさと納税の寄付額は2023年度は過去最高の約9億9千万円。昨年度は約8億円でした。ふるさと納税の対象から2年間、除外されれば、実績ベースで約18億円の歳入が失われることになります。
金澤秀三郎雲仙市長:
「市の不始末によって財源が減少した分をそのまま市民サービスの低下につなげるということはあってはならないと思っています」
市は今後、第三者委員会を設置し、原因の究明に向けた調査を行うほか、減収に対する対応を市民に示していきたいとしています。