長崎市琴海尾戸町の展望所「ハッピーテラス」で夏の花々が見頃を迎えています。 気象予報士の西尾菜穂さんのリポートです。
私が初めて訪れた形上湾を一望できる長崎市琴海尾戸町のハッピーテラス。季節ごとの花々が咲き誇る展望所で、長崎で行ってみたかった場所の1つでした。
ハッピーテラスは、元左官職人で、庭造りも手がけてきた山本辰美さん(71)と、元看護師の妻・京子さん(71)が共に65歳の時に造りはじめ、5年前に完成しました。
訪れた人に元気になってもらうことが「何よりもうれしい」と話す2人ですが、今年は、梅雨が早く明けたことも影響して、苦労も多かったそうです。
山本辰美さん:
「5月くらいからなかなか雨が降らない時があって、日照りが大変でした。こまめに水やりをして、こういう日を夢見て、誰かが見てくれる日が来るねと信じて、毎日水やりをしていた」
山本京子さん:
「主人が一番力を入れているのがサルスベリなんですけど、色もピンク、白、色んな色合いがあって、この道路が華やかになりますね、サルスベリのお陰で」
奇麗なピンクの夏の花「サルスベリ」です。山本さんが17年前に種を植えて、大切に育ててきました。
山本辰美さん:
「あと1カ月程はそこそこ奇麗なんじゃないかな。全体も奇麗だし、1個1個見ても素敵なお花ですね」
長崎で見る初めてのサルスベリに思わずうっとりしてしまいました。階段を登っていくと、夏スミレも見頃を迎えていました。知人にもらった3株を植えたところ、その数がどんどん増えていったそうです。
花を植えるのは辰美さんの仕事で、京子さんは、手入れを担当しています。京子さんは、毎朝6時すぎと、午前9時、さらに午後にも来て、こまめに草むしりをしているそうです。
山本京子さん:
「もう見つけたら取る、それしかないですね。無料のリハビリですから」
この美しいハッピーテラスは、お二人のたゆまぬ「努力の賜物」、そして「愛の結晶」なんだなと感じました。
山本京子さん:
「ここにおいでになった方が『なんだかストレスが下がったような気がします』ということを皆さんおっしゃいますね、気分がすっきりしましたと言ってお帰りになる」
山本辰美さん:
「歳を取って、動けなくなるまでここを奇麗にして、皆さんに少しでも何年か先まで見て頂ければと、管理を徹底して、皆さんに見て頂けるよう一生懸命していきたい」
暑さに強いサルスベリは漢字で「百日紅」とも書き、見頃は10月ごろまで続きます。
入場無料のハッピーテラス。夏休みに絵を描くのにもおすすめな、とても奇麗な庭園でした。