広島と長崎で二度被爆した「二重被爆者」の遺族らが二重被爆の証言を記録し、被害の実相を伝えるため、新たな団体「二重被爆 遺族友の会」を設立しました。
会の代表を務めるのは二重被爆者で、2010年に93歳で亡くなった山口彊さんの長女、山崎年子さんです。彊さんは1945年8月6日、三菱重工長崎造船所の設計技師として出張先の広島で被爆。顔や首筋、左腕に大やけどを負いながら、何とか戻った長崎で再び被爆しました。彊さんは米国・ニューヨークの国連本部などで核兵器廃絶を訴えました。
孫の原田小鈴さんは全国の学校を中心に彊さんの被爆体験を伝える講演を続けていて、会では副代表に就きました。
二重被爆者は実際、全国にどれだけいるかは、具体的な数字は分かっていません。
そのため会では、二重被爆者やその家族を探して、証言を記録し発信するほか、二重被爆した経緯や背景、要因を調査。二重被爆者の存在を広く知ってもらい、被害の実相を発信することで、核兵器廃絶を訴えたいとしています。
問い合わせは、会の事務局長で、彊さんの記録映画を制作した映画監督の稲塚秀孝さんまで(090・3433・6644)まで。