来年のNPT=核拡散防止条約再検討会議に向けた3回目の準備委員会がニューヨークの国連本部で開幕しました。岩屋外務大臣は、「日本は唯一の被爆国として核を抑止する。核抑止は不可欠」との考えを示しました。
岩屋外務大臣:
「昨年、日本被団協がノーベル平和賞を受賞しました」
演説で岩屋外務大臣は去年、日本被団協がノーベル平和賞を受賞したことを挙げ、長崎の被爆者で被団協の代表委員だった故・山口仙二さんが1982年に被爆者として初めて国連で演説した際に訴えた言葉の一部を紹介しました。
岩屋外務大臣:
「ノー・モア・ヒロシマ、ノー・モア・ナガサキ」
その上で、
「核兵器による惨劇を二度と繰り返してはならないと求める声、核兵器のない世界を求める声は、これまで以上に大きなものとなっている」
「NPT体制がこのような世界の人々の切なる願いに応え続けるよう、締約国の間で一つずつ一致点を見いだしていくことは、我々全員が共有する責任であり、道徳的な要請だ」と呼び掛けました。
岩屋外務大臣:
「やっぱり日本は唯一の被爆国として核を抑止する。二度と核兵器を我が国のみならず、世界のどこにおいても使わせないというためにやはり核抑止ということは不可欠だというふうに判断をしているところでございます。従ってこのNPTにおける取り組みというのは我が国にしてみればあくまでも防衛目的、国民の生命・財産、地域の平和、安定を守る ためにこの核抑止というものは、どうしてもやむを得ない取り組みだというふうに思っておりましてそれと最終的に核軍縮、核のない世界を目指していくという取り組みは決して矛盾するものではないというふうに考えているところでございます」
核兵器は、人を無差別に殺し、放射線で生涯苦しめます。その兵器にすがる核抑止は、新たな悲劇と隣り合わせの危険な原理でもあります。だからこそ被爆者は「核兵器をなくすべき」と訴え続けているのです。
故・山口仙二さん:
「ノー・モア・ヒロシマ、ノー・モア・ナガサキ、ノー・モア・ウォー、ノー・モア・ヒバクシャ」