九州文化学園高校女子バレーボール部を15度の日本一に導いた名将・井上博明さんが26日、下咽頭がんのため亡くなりました。67歳でした。
2023年、九州文化学園高校を定年退職し、県立西彼杵高校女子バレー部の外部監督を務めていた井上博明さん。26日午前2時11分、入院していた佐世保市内の病院で下咽頭がんのため、亡くなりました。67歳でした。
南島原市出身の井上さんは、1980年に九州文化学園高校の監督に就任、89年以降、インターハイや春高バレー、国体など全国高校主要大会で15度の日本一に導きました。2007年には佐世保市民栄誉賞を受賞。
2023年、43年間率いた九州文化を定年退職し、外部指導者として県立西彼杵高校女子バレーボール部の監督に就任しました。井上監督の指導を受けたいと、部員の多くも西彼杵に転校しました。 2024年11月に行われた春高バレーの県大会決勝。井上監督の姿は…コートから離れた所に。2024年4月に下咽頭がんが見つかりましたが、指導のため手術せず、入退院を繰り返していました。抗がん剤治療の副作用に苦しみながら、会場に駆けつける中、選手たちは初優勝。西彼杵として初の春高切符をつかみました。 井上博明さん:「高校バレー、高校スポーツの歴史上、(転校という)体験したことないことを体験した。体験するだけじゃなくてこうやって結果を残した。その分全国行っても結果を残さな。体験しに行くんじゃない。結果を残しに行く。全国大会は経験しに行くんじゃない。結果を残しに行く」 その後、症状が悪化し井上監督が春高のコートに立つことは出来ませんでした。私たちが最後にお話を伺ったのは、今年2月の九州大会でした。決勝リーグの初戦で敗れ、悔しい思いを語っていました。 井上博明さん:「どこの高校行っても女子バレー部はあるわけだから。でもやっぱり価値観持って、やりがい持って、とことん頑張りたいから西彼杵に行くんだって来たんだからもう少し。選んだプライドと2年間やってきた積み重ねに対するプライドを持って相手と勝負してほしかった」 指導者として45年間、井上監督が紡いできた「真実(こころ)のバレー」はこれからも長崎のバレー界で引き継がれていきます。 井上監督の告別式は、29日午前11時からさせぼ元町メモリードホールで営まれます。