長崎市の伝統柑橘を使い、橘湾で育てた春限定の新しいブランド魚が県内のスーパーで販売されています。
今月、県内のまるたか生鮮市場で販売が始まったのは、「長崎ゆうこうさくらサーモン」です。長崎市の昌陽水産が、市の伝統柑橘「ゆうこう」をえさに混ぜ、橘湾で養殖しました。
昌陽水産・長野陽司代表:
「(ゆうこうの)抗酸化作用が働いて、魚独特の生臭さがなくなったり、色合いがきれいに出るというのが特長です。海外のサーモンとより新鮮というのがあって、脂の乗りもどぎつくなくて、さっぱりとした味わいでおいしくいただけると思います」
主にシマアジやトラフグ、マダイなどの養殖を手掛ける昌陽水産。サーモンの養殖を始めたきっかけは、近年、夏に発生する赤潮被害への対策でした。去年は、橘湾を中心に過去最大規模の約15億円の被害が出ました。
昌陽水産・長野陽司代表:
「何をどうすればいいのか分からない状況の中、こうやって赤潮がない冬場に育てる魚があったので、短期間での養殖というのが、4カ月くらいで出荷できるのが魅力的だったのでそこに目を付けてやってみました」
サーモンは冬場に養殖が始まり、赤潮が発生しやすい夏場を前に全て水揚げします。初めて挑んだ昌陽水産は、去年のクリスマスイブに稚魚をいけすに入れ、今年3月末に出荷を始めました。4月末までに約3000尾を出荷する予定です。
客:
「初めてです。食べてみておいしかったらまた買いに来る」
客:
「冷たい所の魚でしょ、鮭って。長崎でもサーモンを作ってるって聞いたら、やっぱり応援しなきゃなと思って」
昌陽水産・長野陽司代表:
「長崎でもサーモンが養殖できるんだよということをまず知ってもらって、海外と違って朝締めした魚が店頭に並ぶというのを知ってもらって、おいしいんだよというのをもっともっと知ってもらえればと思います」
「長崎ゆうこうさくらサーモン」は有明店を除く、県内の「まるたか生鮮市場」全店で4月末まで販売するほか、昌陽水産のSNSでも注文を受け付けています。