長崎ペンギン水族館は、「コガタペンギン」の親鳥が自らひな鳥を育てる「自然育雛」に初めて成功したと発表しました。
小柳亮雄記者:
「長崎ペンギン水族館では念願かなって、非常に繁殖が難しいペンギンの自然育雛に成功したということです」
先月5日と10日に卵からかえった2羽のひな。繁殖が非常に難しいとされるコガタペンギンのひなです。体長は20日時点で20センチ、体重はそれぞれ826グラムと880グラムです。
長崎ペンギン水族館では「コガタペンギン」の飼育を始めた2006年以降、飼育員がひなを育てる「人工育雛」には成功していましたが、親鳥がひなを育てる「自然育雛」の成功例はありませんでした。この19年間の飼育経験が実り、2羽のひなが親元で生育中です。
コガタペンギンは、その名の通り、体が小さく、親鳥になっても体長は約30センチ。体重1キロほどで、非常に用心深く、外部からの刺激に敏感です。本来オーストラリアやニュージーランドといった温暖な海に生息しているため、寒さに弱い点なども「自然育雛」が難しい理由です。
長崎ペンギン水族館:
「今までの失敗、今までひながうまく育たなかった原因を考えて『こういうふうにして死んでしまったから、次はこういうふうにしよう』という工夫を考えられたので、そこは良かったかなと思います」
現在国内でコガタペンギンを飼育しているのは、長崎ペンギン水族館を含め4カ所のみです。
2羽のひなは普段、バックヤードの巣箱の中で過ごしていますが、運が良ければ、外に出ているところを見ることが出来るそうです。
長崎ペンギン水族館では「自然育雛」に成功した2羽を含め、15羽のコガタペンギンを飼育しています。2羽の正式なお披露目は、4月ごろになる見通しです。