国が定める被爆地域の外で原爆に遭い、被爆者と認められていない「被爆体験者」の救済について、厚生労働省は長崎市と県との協議を8月27日にも行う方向で調整していましたが、「先送り」となったことが分かりました。
9日の平和祈念式典後に、被爆体験者の団体と初めて面会した岸田総理は、その場で直接、武見厚労大臣に「合理的に課題を解決できるよう具体策の調整」を指示しました。
これを受けて厚労省は、27日(火)にも長崎市や長崎県と協議を始める方向で調整していましたが、先送りとなりました。
厚労省の担当者は「報道が先行し、27日に行うと決まったわけではなかった。協議をするかしないかも含め、全て未定」としています。
被爆体験者や支援者は、22日、長崎市と県に対し、国に早期解決を強く働きかけることや協議の傍聴を要望しましたが、先送りについての言及はありませんでした。
被爆体験者で、第二次全国被爆体験者協議会の岩永千代子会長(88)は「救済に向けて一日も早く協議し、私たちの訴えや、実態を知ってほしい」としています。