長崎の被爆者らが原爆投下国アメリカを横断。市民と対話を重ねたドキュメンタリー映画の上映会が開かれました。
「ヒバクシャ・ミライ・プロジェクト」。ロシアがウクライナに侵攻し、核兵器使用の脅威が高まる中、高齢化する被爆者と次世代が共に被爆の実相を全世界に伝え、核兵器廃絶の思いを広げるプロジェクトです。
第一弾は、発案者の県被爆者手帳友の会、朝長万左男会長(81)や被爆者、被爆2世、活水高校出身の被爆3世で現在国際基督教大学(ICU)2年の山口雪乃さん(21)ら10人が去年11月、約2週間かけて、アメリカ3都市の学校や教会などで21回講話し、延べ約1000人の市民と語り合いました。
その様子を記録したドキュメンタリー映画「ラスト・メッセージ」(65分)の無料上映会は6月29日に長崎原爆資料館ホールで開かれ、市民ら約120人が視聴しました。
被爆3世・山口雪乃さん(21):
「つないでいくことの大事さっていうことをずっと皆さんおっしゃっていたんですけど、本当にこう私が感じたことをつなぐこともそうですし、被爆者の皆さんがこう思っているんです。ないしは日本の市民社会がこう思っているんですっていうのを、日本政府と立場は違うけどという前置きを付けながらでも発信し続けていくということがいかに尊くて大事なことなのかというのを本当に痛感させられた2週間になりました」
県被爆者手帳友の会・朝長万左男会長(81):
「我々が2週間、1000人以上の方とお会いしたんですけども、前もって連絡を取っていただいていたアメリカのメディアで取材に来たメディアが1社も無かったんですよ。これにはショックを受けました。私は。メディアが、もうひとつ地方のメディアでもいいから来てくれれば広げてくれると期待して3カ所の都市に絞ったんですけどね。実際は来なかったですね。これが何故かというのはまだはっきり分かりませんけどね。核兵器に関しては何かアメリカ社会はそういうムードというか空気が充満しているような感じですね。だからここら辺も一つの将来の突破しないといけないことなんじゃないでしょうかね」