坂本農水大臣が去年12月の就任後初めて諫早湾干拓事業を視察しました。
坂本哲志農水大臣:
「しっかりお話を聞いて、これからの干拓、農業、防災、こういったものがしっかりできるような政策を遂行するためのものにしていきたい」
12日、諫早市の堤防管理事務所を訪れた坂本哲志農水大臣(73)は、大石知事から干拓地の営農状況について説明を受けました。
諫早湾干拓事業を巡っては、最高裁が去年3月、「開門せず」で統一する司法判断を示し、同種の第2次、第3次裁判も先月、開門を認めない判決が確定しています。
午後、坂本大臣は干拓地を視察したあと、営農者との意見交換に臨み、営農者は「国として開門しないことを明確にしていただき安心して雇用型農業に取り組めるようになった」と話しました。
例年、農水大臣は「開門を求める原告団」と「開門差し止めを求める地元関係者」の双方と意見交換してきましたが、今回、「開門を求める原告団」との意見交換は見送られました。
坂本農水大臣は、「裁判でなく話し合いで有明海の再生を図っていく」とした去年3月の農水大臣談話の説明会を開く意向を明らかにしました。「準備が整いましたら、私自身も改めて『開門を求める漁業者の声』を聞くこういったことを検討して参りたいと思っています」
視察に同行した大石知事は「我が県の一次産業、農林も水産も基幹産業ですので、お力添えを賜りたいといったことを概ね述べさせていただきました」と話しました。大石知事は有明海の漁業不振の原因究明を進めるとともに、効果的な水産振興策や環境改善対策の実施などを求めました。