自民党安倍派の裏金問題で10万円の不記載が発覚した長崎2区選出の加藤竜祥衆院議員(43)の父で、2021年まで衆院議員を務めた加藤寛治元衆院議員(77)にも26万円の不記載があったことが分かりました。
加藤寛治元衆院議員(77)は、2012年の衆院選に長崎2区から出馬し、初当選してから衆院議員を3期務め、2021年に政界を引退しています。在任中は安倍派に所属し、農林水産副大臣などを務めました。
加藤元衆院議員は2020年に10万円、2021年に16万円の合わせて26万円のキックバックを受け、収支報告書に記載していませんでした。1月5日に党からの指示で調べたところ不記載が発覚したということです。きのう付で収支報告書を訂正しました。
加藤元衆院議員の会計責任者は「収支報告書への処理は一任されていた。寛治氏本人には不記載の認識が無かった」と話しています。
息子の加藤竜祥衆院議員(43)も初当選から約半年後の2022年5月に開かれた安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー券の販売ノルマ50万円を超えた10万円分のキックバック(還流)を受け、政治資金収支報告書に記載していませんでした。
加藤竜祥議員は1月31日、「今年1月5日に派閥から連絡を受け精査して分かった。当時の安倍会長からノルマを超えた分について派閥からの還付を停止する旨の指示があったこともあり、還付があることを認識していなかった。派閥の指示に従い適正に処理できず政治不信を招いてしまったことに、お詫び申し上げます」などのコメントを発表。国土交通兼内閣府兼復興政務官を辞任しました。
一連の裏金問題をめぐっては安倍派に所属していた長崎3区選出の谷川弥一元衆院議員(82)が、2022年までの5年間に4355万円を収支報告書に記載しなかったとして東京地検特捜部に政治資金規正法違反の罪で略式起訴され、東京簡易裁判所が26日付で罰金100万円、公民権停止3年の略式命令を出しました。
また谷川氏の次女で秘書を務めていた三宅浩子氏にも罰金30万円、公民権停止3年の略式命令が出されています。