12日朝、壱岐市の沖合で乗客乗員52人を乗せた九州郵船のジェットフォイルのエンジンがしけの影響で安全装置が作動して止まり、一時、漂流しました。
午前8時17分ごろ、壱岐市芦辺町の北約1.3キロの海上で、対馬の厳原発、壱岐・芦辺経由博多行きの九州郵船のジェットフォイル「ヴィーナス2(ツー)」から「エンジンがかからなくなった。南に流されている」と唐津海上保安部に118番通報がありました。
幼児1人を含む乗客47人と乗員5人は救命胴衣を着けて船内で待機し、海保の特殊救難隊や航空機4機、巡視艇4隻が現場に駆け付けました。
唐津海保によりますと、「ヴィーナス2」はエンジンが止まってから約2時間後の午前10時すぎにエンジンを再起動して自力航行が可能となり、午前10時22分ごろ、壱岐の芦辺港に着いて乗客を降ろしました。けがをした人はいません。
九州郵船によりますと、「ヴィーナス2」は午前7時に厳原港を出航し、経由地の芦辺港には午前8時5分に、着く予定でした。海上のしけのため、遅れて運航し、芦辺港に入ろうとした際のトラブルでした。
エンジンが止まった原因について九州郵船は「高い波を乗り越える際、エンジンの吸水口が海面に露出し、多量の空気が入ったことで安全装置が作動して止まった」としています。
エンジンの停止直後、船の前方の甲板に波をかぶってハッチが開き、船内の客室に海水が流れ込んだ影響などでエンジンの復旧作業に時間を要したということです。