五島市で豊作や大漁、無病息災などを祈る奇祭「砂打ち(ずなうち)」がありました。
「砂打ち」は五島市玉之浦町大宝地区の言代主神社の秋祭りで、国の選択無形民俗文化財に指定されています。
猿田彦を先頭に、御幣、稲穂、ヒラマサなどを抱えた行列が地区を一巡。鍬で耕し、種に見立てた真砂をまくなど農作業の所作をして豊作を祈願しました。
列から離れて見物人に真砂を打ち付けているのは、体を墨で塗り、頭にわらをかぶった「サンドーラ」と呼ばれる「砂鬼(ずなおに)」。悪霊と悪疫を払う意味があり、住民や家に砂をまきます。追いかけるサンドーラと逃げ回る子どもたち。普段は静かな集落に悲鳴と歓声が上がっていました。