街の木々も色づく中、気象予報士の西尾菜穂さんがお気に入りの場所を紹介します。
長崎市松山町にある長崎市営弓道場のイチョウ並木です。
大学生の時に弓道サークルに所属し、初段を取得しました。現在はマイペースに練習を楽しんでいます。
市営弓道場は、弓道と言えば多くの方が思い浮かべる「近的競技」と、60メートル先にある直径1メートルの的を狙う「遠的競技」、どちらも練習できる施設です。
施設の中に入ってみると建物と的の間は屋外になっていて、練習をしながら外の景色を眺めることができ、季節や天気を感じられます。小学生から社会人まで幅広い年代の方が利用しています。
個人競技だけど、仲間同士で指導し合う空気感と、自分の課題と向き合って乗り越えた時の達成感が弓道の魅力です。
市営弓道場は、長崎で一番会員数が多い道場で、指導者がいないのが特徴です。
長崎市営弓道場 真崎孝之会長:
「誰が教えてもいいことになっている。例えばおたくが来た時に初段を持っているなら自分が初段までに得た知識は初心者には教えていいとなっている。師範を置いてない道場っていうのは珍しいんですよね」
このイチョウが植えられている場所、もともとはヤナギの木があったそうです。1982年の長崎大水害で浦上川が氾濫し、この弓道場も浸水しました。
長崎市営弓道場 真崎孝之会長:
「前からの道場で残ってたのは、あの桜の木だけです。イチョウはみんなあとから植えたやつですね。だから水害のあとに植わったのがイチョウです」
イチョウ並木に植え替えられて40年以上。街と共に成長しながら松山町を見守ってくれたイチョウの木に思いをはせながら、静かに、自分とそして天気と向き合います。