3月30日(日)阪神甲子園球場で決勝戦が行われ、横浜高校の優勝で幕を閉じた第97回選抜高校野球大会。閉会式で応援団賞の最優秀1校と優秀3校が発表された。21世紀枠で出場した長崎の壱岐高校が最優秀賞に選ばれた。
壱岐高校には応援団はなく、出場決定後に急きょ応援団とチアダンスチームを結成。放課後に応援練習を行い、応援動画を保護者らにも共有して決戦に備えた。
壱岐は1回戦、大会3日目の第3試合で東洋大姫路(兵庫)と対戦。試合が行われた20日(木・祝)は、今大会の開幕後初の休日で春分の日。壱岐からは島のヒーローたちの勇姿を見届けようと、約3000人の島民が甲子園へと駆けつけた。対戦相手も甲子園の地元強豪校ということもあり、試合開始5分後に「入場券完売」が通知された。入場券完売通知が出されたのは、全席指定席になった2021年以降初めて。
壱岐は去年秋の近畿王者相手に2点を先制するも、惜しくも敗れた。先制適時打を放った山口廉斗選手は、アルプスからの大声援について「応援のおかげで打てた。日本一の応援」と感謝を述べた。
大会本部は受賞理由について、「人口約2万4000人の壱岐島から1割超に当たる生徒や保護者、島民ら3000人以上がアルプススタンドを埋め尽くした。攻撃時はもちろん、守備時もアウトをとる度に声援が上がるなどチームを後押し。熱気もすさまじく、楽しみながら懸命に応援している姿が印象的だった。初出場ながら生徒と教師の連携もしっかりしており、マナーの良さも評価された」とコメントしている。