3年間の集大成です。県美術館で、長崎日大高校デザイン美術科の卒業制作展が始まりました。
今年のテーマは「瞬き」。「無意識に瞬きをしているその一瞬を私たちは創造する」というコンセプトをもとに制作しました。
57回目を迎えた長崎日大高校デザイン美術科の卒業制作展。絵画やデザイン、彫刻、ジオラマなど3年生の43作品と1、2年生の作品を合わせ、約250作品が展示されています。
こちらは、3年生の平山未燿さん(17)が約4カ月かけて制作した作品、「焦燥と青」です。
平山未燿さん(17):
「ゆがみやにじみがある空間で不安の部分を表していて、私にとっての焦燥感というのが、みんなに置いていかれるような感覚だと思っていたので、一つの方向に進んでいく人込みや魚に置いていかれる感覚として表しています。焦燥感にとらわれずに、自由に進んでいた時代、そして魚や人込みとは別の方向に進んでいる子どもを一人だけ描きました。
焦燥感の中で、不安の中にもちょっと気が抜ける瞬間(安堵)もあると思ったので、あえて真っ青な空いた空間をつくることでそれを表しています。表面的なものを私は描くことがあったんですけど、より内面に、自分の中をさらに探っていくようなことをするきっかけになりました。とても濃厚で、充実した3年間でした」
こちらは、実行委員長の小田安季乃さん(18)が約3カ月かけて制作した作品、「はじまりとおわり」です。
実行委員長・小田安季乃さん(18):
「この四角いキューブが2つあるんですけど、これが『はじまりとおわり』の点を表していて、その中に流れる時間に意味が生まれるんだよというのを表しました。搬入する時とかにくっついて、形がくずれないように1本1本片栗粉を塗っていて、多種多様なテープや、その長さで物だったり人だったりの時間の内容の多様さも表しました。
この作品は、『自分自身』と言っていいでしょうかね。色んなことを考えないといけない3年間だったなと思っていて、個人の話になるんですけど、今、下宿をしていて、親の元から離れて生活をするということで、その中で結構色んな変化があった3年間で、自分自身も成長できたなという実感があるので、本当に密度の濃い3年間だったなと思います」
卒業制作展は10日(日)まで、県美術館県民ギャラリーで開かれています。