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2024/04/05

実写超えたリアリティー”吉村芳生展”の魅力①生涯描き続けたモチーフのミステリー 長崎県美術館で開催中

実写を超えたリアリティーを刻む異色の画家の作品が並びます。超絶技巧の鉛筆画の展覧会が県美術館で開かれています。

鉛筆による細密描写で現代アート界に衝撃を与え、2013年に63歳で急逝した画家、吉村芳生さん。鉛筆で克明に描き写す制作スタイルとその描写力で、見る人に驚きや感動を与える作品を数多く残しました。
初期から晩年までの約500点を展示した「超絶技巧の鉛筆画 吉村芳生展」、その魅力に迫ります。

東京ステーションギャラリー・富田章館長(62):
「吉村さんの独特の制作方法が、吉村芳生という画家の最大のミステリーであり最大の魅力」

目に映ったモチーフをダイレクトに描くのではなく、いったん写真や版を介し、自身のやり方で細密に描き写し出しています。
「ジーンズ」の技法は自身が撮った写真を大きく引き伸ばし、2.5ミリメートル四方のマス目に、濃淡を「0~9」の10段階の数字に置き換えてマス内に記入し、その数字を方眼紙に転記します。「4は斜線5本」などのルールで数字に合う斜線の数を機械的に描写しています。

富田館長:
「吉村芳生という画家は非常に変わった画家。描いたモチーフも実はすごく限られている。基本的に彼は”新聞”と”自画像”と”花”。この3つを生涯ずっと描き続けた人」

吉村芳生さんが一躍脚光を浴びたのは2007年のことでした。この年に開かれた「六本木クロッシング展」に出品された作品が大きな話題となり、57歳にして突如、現代アートの寵児となったのです。

富田館長
「新聞紙の作品が強烈だった。新聞の活字まで全部手描きで描いている、その執念というかしつこさというか。でもそこにすごい魅力があって、面白い作家がいるなと思ったのを覚えている」

この作品は、新聞紙に顔を描いているのではありません。写真や活字一文字一文字まで新聞紙面全てが手描きです。

富田館長
「ここで問題です。なぜ吉村さんは新聞の上に自分の顔を書いたんでしょう。
私にもわかりません。わかんないんですよ。だけど”新聞”と”自画像”は、吉村さんが生涯追究したモチーフの1つ。どちらも生涯描き続けた。自画像はいろんな画家が描いているが、こんな変な自画像を描いたのは吉村さんしかいない」

企画展「超絶技巧の鉛筆画吉村芳生展」は県美術館で5月12日までです。入場料は一般1200円。小中高生は600円。小学生以下は無料です。

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