23日から始まる日米共同統合演習を前に、自衛隊とアメリカ海軍の両指揮官が佐世保で共同記者会見を開き、日米の連携の重要性を強調しました。
日米共同統合演習「キーン・ソード」は、日米の即応態勢や相互運用性の向上を目的に、1985年度から2年おきに実施していて、今回が17回目。日米共同訓練の中で、最大規模で実施される実動演習です。
今年は、23日から11月1日(金)まで、国内各地の自衛隊や在日アメリカ軍の施設のほか、国内12の民間空港と20の港湾でも実施されます。
県内の民間空港では、今年4月「特定利用空港」に指定された大村市の「長崎空港」で戦闘機や輸送機、最大4機の離着陸。五島市の「福江空港」では救難機1機が離着陸する航空作戦が実施される予定です。
中嶋航大記者:
「輸送揚陸艦『サンディエゴ』の格納庫です。これから行われる日米共同会見に向けた準備が進められています」
アメリカ海軍佐世保基地に配備されているドック型輸送揚陸艦「サンディエゴ」での共同記者会見に臨んだのは、自衛隊の吉田圭秀統合幕僚長とアメリカ海軍太平洋艦隊のスティーブン・ケーラー司令官。ロシアのウクライナ侵攻や、中東での戦闘拡大を念頭に、「日米の連携強化の重要性」を強調しました。
自衛隊・吉田圭秀統合幕僚長:
「特に我が国周辺地域においてウクライナと同様の深刻な事態が起きる可能性を排除できないという強い危機感を抱いており、こうした事態をなんとしても予防抑止する必要があると感じています」
アメリカ海軍太平洋艦隊・スティーブン・ケーラー司令官:
「私たちは即応態勢を構築するため、統合および相互運用性を研ぎ澄ますことに重点を置きます。キーン・ソードの期間中、全ての人々が強固な日米同盟の強さ、いかなる侵略者からも日本を守るという私たちの責務を目の当たりにするでしょう」
日米共同統合演習「キーン・ソード」には自衛隊約3万3000人と米軍約1万2000人。艦艇約40隻と航空機約370機が参加する予定です。
一方、統合演習に反対する県平和運動センターの米村議長ら6人は、22日午前、県に対し、演習時の県民の安全確保や長崎空港と福江空港の「特定利用空港・港湾」指定の撤廃を国に求めるよう要請しました。
県平和運動センター・平野忠司事務局長:
「『特定指定利用空港・港湾』に対しては、撤回してくださいということは変わりません。また今回の日米共同訓練に対しても、反対だという立場は私たちはきっちり持っている」
米村豊議長:
「一つ危惧するのが、長崎空港にF-2戦闘機が来ると聞いていて、市街地を飛ぶかどうか、住宅地を飛ぶかどうか、そこらへん確認できていますか」
県担当者:
「私どももそこは話聞いた時に同じような感覚で危惧していましたので、配慮していただくように住民に支障が出ないようにということはその場で申し入れはしました」
演習は五島市の福江空港で今月25日(金)の午前10時から11時半ごろまで。長崎空港では今月28日から3日間、午前と午後のそれぞれ20分程度実施される予定です。