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2024/08/14

お盆の伝統行事「精霊流し」に向け各地で精霊船の準備進む

初盆の霊を西方浄土へ送る長崎の伝統「精霊流し」の準備が進んでいます。

長崎市音無町で精霊船の準備を進めるのは電気工事会社、原口電気の従業員です。原口電気の前の社長、原口誠さんは、今年2月に病気で亡くなりました。47歳でした。

原口電気・佐藤真専務:
「(故人は)とにかく人と変わったことをしたい、面白いことをしたいと毎日何か言ってました」

精霊船の大きさは約13メートル。船首部分の大きな「みよし」が特徴です。約1カ月をかけて、設計から組み立てまで従業員が仕事の合間に造りました。

原口電気の従業員:(みんなで造りたいという思いがあった?)
「それがやっぱりあったですね。変わった船を造ろうという感じですね。既製品じゃちょっと物足りんよと」

電気工事会社らしく、電飾が取り付けられたほか、電線を巻くドラムを車輪に見立てています。

佐藤真専務:
「ずっとあそこの写真で笑ってますけど、ほめてくれると思います。夜は電気屋っぽく明るくしていこうとは思ってますので、楽しく、笑って無事に流せたらと思います」

15日午後4時に出発し、従業員約20人で船を引くということです。一方、長崎市の中央公園では家族や親せきが集まり、精霊船の準備を進めていました。

武田弥香さん、44歳。去年、不慮の事故で夫の剛毅さん(享年48)を亡くしました。

武田弥香さん:
「剛毅さんの生前の思いとかが皆さんに大きく伝わっていたというのもあって、『集まるんだよ』と言ってくださって、きょうはこうやって無事に迎えることが出来たかなという感じ」

ひときわ目立つのは、船の上に乗せられたフェルト生地で作られた白いBMWの車のオブジェです。剛毅さんの愛車をデザインしました。

剛毅さんの母・武田照代さん(81):
「車がね、息子が好きでね。小さい頃からブーブーブーブー。寂しいです。あんなに早く、親よりね。先に逝かれるということはね。今はピンときませんよ。精霊船を流した後、おうちに帰ってからが遺影を見て、仏様に向かってお参りした時が涙が出ると思います」

武田弥香さん:
「車が大好きな夫で、私のことよりもデートするなら車。山に連れていかれて重力がどうだとか、それぐらい車好きで、本当に愛用していた車だったんですね。常に車と共にという感じだったので、一緒に送ろうかなというので、どうにか形にできないかなというので作ろうと決めました」

約2カ月をかけて準備してきた精霊船。15日は午後6時から、親戚らも集まり、30人ほどで船を引くということです。

武田弥香さん:
「出てきてほしいなと、正直思います。どうしても会えないのがとてもつらいので、本当に幽霊が存在するなら出てきて、『何か一言言って』『返事して』というふうに言いたい。生前の夫の思いは私が全てたぶんくみ取っているくらいたくさん話はしてきていると思っているので、その思いを私は背負おうと思っているので、親族の方も含めて、『安心してね』ということを伝えたいなという気持ちでいこうかなと思っています」

一方、去年花火が原因の火災が相次いで発生したことを受け、県警は花火の取り扱いに注意を呼びかけています。精霊船の経路の数カ所に検問を設置し打ち上げ花火や飛翔花火、21本以上連結した爆竹などを発見した場合は「一時的な預かり」を行うとしています。

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