Youtube

YouTube

2024/04/16

衆院長崎3区補選告示 立憲と維新の野党一騎打ちに 自民が候補者を擁立しない県内初の国政選挙

自民党の裏金事件をめぐる谷川弥一氏(82)の議員辞職に伴う衆院長崎3区補欠選挙が16日告示されました。県内の国政選挙としては初めて自民党が候補者を立てず、野党一騎打ちの構図となりました。

谷川弥一元衆院議員(82):
「頭悪いね。言ってるじゃないの。質問してもこれ以上はきょう言いませんと言ってるじゃない。分からない?」

去年12月、自民党安倍派の裏金問題をめぐり、報道陣の前で記者の質問に対し「頭悪い」と発言し、世間を騒がせた谷川弥一元衆院議員(82)。2022年までの5年間に秘書と共謀し、4355万円を収支報告書に記載しなかったとして1月、東京地検特捜部に政治資金規正法違反の罪で略式起訴され、議員辞職しました。

谷川弥一元衆院議員(82):
「このような事態に至ったことは自身の認識の甘さだったと深く反省しております」

東京簡裁は1月26日付で罰金100万円、公民権停止3年の略式命令を出しました。

谷川弥一元衆院議員(82):
「私は力をつけたかった。長崎県が抱えた課題を色々処理していきたかった。それなら大臣並みの金を集めてやろうと思いました。どうぞ残った人たちで考えて、私がやってきたことを引き継いでもらえれば、それ以外私が言うことはないですね」

こう言い残した谷川氏ですが、政治とカネの問題による自民党への不信感に加え、長崎3区は次期衆院選から区割り変更に伴い、新2区と新3区に分割されるという特殊性から「先の見通しのない選挙区」として候補者選定が難航。県連内では「戦うべし」という「主戦論」と擁立を見送る「非戦論」双方の声が上がりました。一時は候補者擁立に前向きだった党本部の茂木幹事長(68)は、「戦う準備を進めてほしい」と古賀友一郎会長(56)らに電話で連絡しましたが、その後一転。「不戦敗」も含め党本部の判断を待つことに。そして告示まで2週間となった4月2日、党本部が出した結論は…。

茂木敏充幹事長(68):
「今回長崎3区については候補者擁立を見送ることとしました」

早期の判断を求めていた県連の古賀会長は「意外だった」としながらも理解を示しました。

自民党県連・古賀友一郎会長(56):
「仮に我が党がですね、今回の補選に候補を立てて戦うということになった場合に、有権者の方々からですね、『今回の補欠選挙にどうしてなったんでしょうかね』と、こういう問われると、確かに返す言葉はないと思います。今、我が党が置かれてる状況は、信頼の回復という大きなテーマがございますので、そういった意味合いが大きいかなと、こう思います」

自民党としては結党以降、県内で初めて候補者を立てない国政選挙となりました。

立候補したのは届け出順に、立憲民主党比例九州の前職、山田勝彦候補(44)と日本維新の会の新人、井上翔一朗候補(40)の2人です。野党同士の一騎打ちとなりました。

立憲民主党・比例九州前職・山田勝彦候補(44):
「80人を超える自民党の裏金議員の中で、唯一議員辞職によって行われる戦いが長崎3区の戦いです。長崎県民はもう二度と裏金、脱税、金権政治を許さない。その民意を長崎県民の皆様と一緒に全国へ届ける、この戦いが始まりました」

立憲民主党・比例九州の前職、山田勝彦候補(44)は、前回2021年の衆院選で谷川氏(当時80)に2034票差で敗れ、比例九州で復活当選しましたが、16日の届け出と同時に、議員を自動失職しました。2度目の挑戦となる今回、国民民主党や社民党、連合長崎などと共闘し、選挙区で初めての議席獲得を目指します。

大村市で行った出陣式では、自民党の金権政治を「時代劇の悪代官のような政治」と批判。県内の一番の課題は人口減少とした上で燃油価格などの物価高対策や給食費無償化などの子育て支援に取り組むと訴えました。

山田勝彦候補(44):
「大学の授業料も第3子以降とかではなく、第1子から無償化する。そうやって若者や子どもたちに本気で投資をする国づくりを、一緒に長崎から進めていこうではありませんか」

応援に駆け付けた大串博志選挙対策委員長(58)は、自民党の裏金問題が「政治の危機」ではなく、「私たちの生活の危機」だと訴えました。

大串博志選挙対策委員長(58):
「地方の人口減少、苦境は置き去りにされ、地方の農業、漁業、商工業、離島の問題、どこかに置かれたようにひたすらに今の自民党は金のあるところだけに追従している。本気で変えていきましょう。その先頭に立つのが山田勝彦さんです」

山田勝彦候補(44):
「今の金権政治ではなく、国民の、大村の、皆様の声で動くまっとうな政治へ、もう変えんば!山田勝彦、山田勝彦、毎日が最終日。全力で、全力で、駆け回ってまいります」

日本維新の会・新人・井上翔一朗候補(40):
「改革を実行する日本維新の会という選択肢を長崎の皆様にお示ししたい」

日本維新の会公認の新人で学習塾経営の井上翔一朗候補(40)は、国政政党の「教育無償化を実現する会」から推薦を受けました。佐世保市で行った第一声では自民党の「政治とカネ」の問題を批判し、立憲民主党に対しては、政治改革の実行力不足を指摘しました。

井上翔一朗候補(40):
「政権を取った後、民主党がなかなか政治改革を実行できなかった。それが現実であります。そして逆に自民党の長期政権をつくり上げてしまった。その原因をつくってしまったのが民主党政権ではないでしょうか」

井上候補は実行力の違いを前面に打ち出し、教育の無償化などの政策を訴えるほか、安保政策など自民党に近い党の考えを明確にし、自民党支持層の取り込みを狙います。

井上翔一朗候補(40):
「今の政治、どこを向いて政治をしているんですか子育て世代、未来世代に投資をしていくそういう政治じゃないとこれからの日本社会は持ちません。子どもたちが日本に生まれてよかったなとそう感じてもらうためには積極的に子どもたちに投資をしていきましょう。そういう政治に切り替えるチャンスです」

音喜多駿政調会長(40)も応援に駆け付けました。

日本維新の会・音喜多駿政調会長(40):
「自民党がいないなら野党だったらどこでもいいわけではないんです。本当に政治改革が出来るのは誰なのか、この国のかじ取りを任せることができる政治家、政党は誰なのか、ぜひ長崎の皆さんに選択をしていただきたいんです」

井上翔一朗候補(40):
「日本維新の会こそ本当に有権者のためになる、納税者のためになる、日本の改革を実行できるんだ、そしてその先頭に立つんだということを期間中しっかりと訴えてまいりたいと思います。この思いに賛同いただける方、一人でも多くの方にこの日本維新の会の改革への覚悟をお伝えいただきたいと思います」

15日現在の有権者数は23万2223人。投票は28日(日)で、即日開票されます。

おすすめ記事

衆院長崎3区補欠選挙16日告示 告示前最後の週末に激しい前哨戦

4/15(月) 19:58

衆院長崎3区補欠選挙16日告示 告示前最後の週末に激しい前哨戦

NCC公式アカウント

サイトマッププライバシーポリシーお問い合わせ

Copyright(C) NCC 長崎文化放送 . All rights reserved.