市販薬と成分がほぼ同じ「OTC類似薬」の負担上乗せを盛り込んだ改正案が参議院で可決しました。いつから、どれくらい薬の価格は上がるのでしょうか。
■OTC類似薬 値上げいくら?
現役世代の社会保険料の削減を目的とした健康保険法などの改正案が29日に成立する見通しとなりました。
その改正案の柱の一つがOTC類似薬を使う患者に追加の負担を求める制度です。
OTCとは「オーバー・ザ・カウンター」の略で、薬局やドラッグストアなどの店頭で処方箋(せん)なしに買うことができる「市販薬」のことです。
その市販薬と成分や効果がほぼ同じで、医師の処方箋によって保険適用で買うことができる薬がOTC類似薬です。
病院で処方されれば保険適用となり、市販薬より安く買えるOTC類似薬ですが、高齢化が進むなか、医療費は年々増え続け、それに伴って現役世代の社会保険料負担が増えることにつながっています。
高市総理大臣 「OTC類似薬の見直しのみならず、様々な改革を一つひとつ積み重ねていくことで保険料負担の軽減に努めていくことが必要であると」
今回のOTC類似薬の見直しで政府は年間約900億円の医療費を削減し、社会保険料は1人あたり年間約400円の引き下げにつながると見込んでいます。
今回、対象となるOTC類似薬にはどんなものがあるのでしょうか。
とおやま薬局 遠山伊吹代表 「花粉症のアレルギーの治療薬『アレジオン』というお薬。こういったものもOTC類似薬に該当する」
このほか、解熱鎮痛剤の「ロキソニン」、湿布や便秘薬など77成分、約1100品目が対象となっています。
具体的に金額はどう変わるのでしょうか。
1000円のOTC類似薬を病院で処方してもらった場合、窓口負担3割の主に現役世代の自己負担額は現在300円ですが、改正後は薬代の4分の1、1000円の場合250円が「特別料金」として新たに上乗せされます。
これに残り750円の3割にあたる225円を負担するため、合計負担額は消費税込みで500円に。
これまでより200円負担増になります。
75歳以上の1割負担の人も考え方は同じです。
1000円のOTC類似薬を処方された場合、改正後は現在の100円から250円増えて350円になります。
薬剤師からは、こんな懸念点も…。
とおやま薬局 遠山伊吹代表 「OTC類似薬だと金額が上がってしまうことによって(病院を)受診するのを自分で抑えてしまって治療をストップさせてしまう人であったりとか、自己判断で市販薬をドラッグストアに買いに行ってより悪化してしまうとか、そういう人が増えてくるかと思う」
OTC類似薬の見直しは来年3月からの実施を目指しています。