核軍縮の方向性を議論するNPT=核拡散防止条約の再検討会議は、最終文書を採択できずに閉幕しました。2015年以降3回連続の決裂。県内の被爆者らの受け止めは。
4週間行われたNPT再検討会議は、最終文書の表現をめぐってイラン情勢など多くの論点で交渉が難航していました。各国の対立点を減らすために核の非人道性についての表現が弱められたり、北朝鮮の非核化に向けて支持を表明する項目が削除されたりするなど、議論の過程で内容が大幅に絞り込まれました。
しかし、イランを名指しして「いかなる核兵器も決して開発や取得をしてはならない」とする項目について、アメリカとイランの対立は続き、全会一致が必要な採択には至りませんでした。これで、NPT再検討会議は3回連続で決裂となり、NPT体制は空洞化の危機に直面しています。
不採択を受け、鈴木長崎市長は―。
鈴木長崎市長:
「大きな失望を感じております。そして、条約の最終目標であります、核兵器のない世界の実現。これに締約国が真に誠実に目指している姿勢が目に見える形で示すことができなかったことに強い憤りを感じております」
長崎の被爆者は―。
日本被団協代表委員・田中重光さん(85):
「実のある採択にならないと、せっかくの文書も役に立たないと思いますから、そんなに私たち自体は落胆はしていません。ウクライナ、イラン問題、ガザの問題含めて停戦をするということですよ。そして、核の脅威を無くすというか、戦争状態が続けば核兵器の使用というのはどんどん強まっていくわけですから、この戦争をやめさせるというのが国連の今の課題じゃないでしょうかね」
国連軍縮部門トップの中満泉事務次長は、「NPT体制の健全性に懸念を抱いている」「今後体制を維持したいなら、失敗を真摯に受け止める必要がある」と述べました。