国連で27日から始まるNPT=核兵器不拡散条約の再検討会議を前に軍縮部門のトップが会見し、核兵器を巡る国際情勢は「複雑さを増している」と危機感を示しました。
中満泉国連事務次長 「(核軍縮を巡る)状況は悪化しているだけでなく複雑さを増している。リスクそのものが非常に大きくなっているのではという危機感を持っている」
中満泉国連事務次長は10日、日本記者クラブで会見し、イラン情勢やウクライナ情勢を念頭に「安全保障環境は刻一刻と悪化している。核兵器は、軍縮ではなく軍拡の方向に進んでいる」と強い警戒感を示しました。
また、27日からニューヨークの国連本部で始まるNPT再検討会議について、核保有国を中心に「透明性や説明責任」の強化がますます重要になるという認識を示しました。
さらに、AI(人工知能)や宇宙、サイバーといった「21世紀の新たな核兵器を巡る課題」についても議論する必要があるとしています。
再検討会議は直近2回、最終文書の採択に至っていません。
中満事務次長は、今回の結果次第で条約が本来の目的を果たせない「空洞化」の状況に陥る恐れがあるとしながらも、「すぐには崩壊にはつながらないだろう」という見方を示しました。
また、会議において唯一の戦争被爆国である「日本の役割は非常に大きい」と述べ、核保有国と非保有国の対立が深まるなか、日本の橋渡しとしての役割に期待を寄せました。