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2025/11/23(日) 23:30

【独自】巨体クマのワナ脱出の瞬間…脅威の破壊力 住宅街で銃使えず「最後の一手」

  • #社会
【独自】巨体クマのワナ脱出の瞬間…脅威の破壊力 住宅街で銃使えず「最後の一手」

クマによる人身被害が後を絶ちません。番組では、2週にわたって住宅街にあるりんご農園に出没した体重約130kgの巨体クマを取材。クマが箱わなの柵を破壊して逃げ出し、“吹き矢”で捕獲されるまでの緊迫の現場を捉えました。

■巨体クマ 箱わな破壊脅威の破壊力

「助けて!という声も聞こえたんですけど…」 栃木県鹿沼市できょう23日、庭先で作業をしていた74歳の男性がクマに襲われ、左の顔や左上半身に、出血を伴うけがをしました。約10分後、地元猟友会が十数m離れた場所にいた、同一個体とみられる体長1mほどのクマを駆除しました。

毎日のように起きるクマ被害。これは今月初めから岩手県盛岡市中心部のリンゴ園に出没していた、巨体のツキノワグマです。 (下里航平ディレクター)「今、クマが現れています。」 15日に撮影した映像では、次々とリンゴをとっては食べる様子がみられました。 クマが現れたのは、盛岡駅から北に3kmほどの地点。直接、山には接していない住宅街に位置し、周辺には学校や保育園もあります。実はこのクマ、隣接する藪に長期にわたって潜んでいた可能性が指摘されています。 この翌日も、クマはリンゴ園に連続して出没。捕獲用に仕掛けた箱わなに近づきます。結局、入らず―。 「今ですね、クマが走り始めました、逃げています。」 この後も、周辺ではクマの目撃が相次ぎました。 (周辺住民)「カーテン開けて見たらね。クマが出てきた。朝4時半、ここ歩いていた。」 20日の朝には、クマはリンゴ園の倉庫にまで侵入。収穫済みのリンゴにも手を付けました。 (リンゴ園のオーナー)「今回は小屋の中に入ってこられてしまったので、ちょっと耐えられなくなって」 その日のうちに、盛岡市と猟友会は、新たな箱わな2つを追加で設置。 カメラには、このわなを破壊するクマの驚異的な力がとらえられていました。 午後4時すぎ、車が駐車したわずか3分後、ゆっくりと近づいてくるクマの姿が。最初は画面左側の箱わなに向かい、中に仕掛けられたリンゴだけをとって食べます。その後、右側のわなのリンゴも食べようとして、今度は中へと入り…鉄格子の扉が落ちて、クマは閉じ込められました。 別のカメラには、わなにかかって、驚くようなクマの様子も映っていました。しかし、その後、逃れようと暴れているのか、檻が揺れ…右の側面からクマが頭を出します。そして、ついにわなから抜け出してしまいました。 ただ、クマはリンゴ園にとどまり、朝に入り込んだリンゴ倉庫に再び侵入。しばらくして、また収穫済みのリンゴを食べ始めたのです。この時、現場で対応した盛岡市の担当者は―。 (現場で対応した市職員)「かなり緊迫している状況でした。あそこのリンゴ園のリンゴにすごく執着している個体なので、もう駆除するしかない状態です。こちら側の扉を破られる可能性もあったので、バリケードを作ったりして、獣医師には麻酔の準備をしていただきながら…」

■住宅街で銃使えず…「最後の一手」

リンゴ園は住宅街にあるため、銃での駆除は難しく、今回は吹き矢による麻酔で、クマを眠らせることに―。獣医師が放った吹き矢は、クマの左肩のあたりに命中。今回は、合わせて3発の吹き矢を発射しました。 (現場で対応した市職員)「かなり大きい個体だったので、2発でも効くかどうかなっていうところが、話をしてたところでした。もう1発いこうというところで、(麻酔で)だんだんですね、顔が上げられない状況になってきて、突っ伏すような感じになって」 映像にはクマが眠り、態勢を崩す瞬間もとらえられていました。 (現場で対応した市職員)「観察して、もう動かないなというのを確認した上で、近づいていって、棒か何かでこう突っついたりして、動かないというのを確認した上で、今度は部屋の中から運び出してという感じですね。」 2時間に及んだ緊迫の捕獲作業。麻酔で眠ったクマは、ソリからはみ出す大きさです。 現場には岩手大学の山内准教授も立ち会っていました。 (岩手大学 農学部 山内貴義 准教授)「それ(クマの大きさ)に合わせた薬液の量を用意して、狙いを定めて確実に筋肉に打たなくちゃいけないので、危険な作業になりますので、誰にもできるかというと、そういうものではないなと思いました。」 Q.そういうのできる人は少ない? 「全国的にも少ない。体重計を超えてしまうような、かなりの巨体だったので120~130kgぐらい、(体長は)150cmぐらいなので、ツキノワグマのオスとしてはもうマックス状態という感じになります。」 この巨体のクマが抜け出した箱わなはどうなったのか。 Q.ここを壊されたんですか? (市の担当者)「そうですね。壊されて。(わなは)クマとイノシシ兼用という感じで。これはちょっと想定外ですね。正直。」 鉄格子が2本外れていて、ほかも大きくねじ曲げられていました。 (岩手大学 農学部 山内貴義 准教授)「彼ら(クマ)は引っ張るのが得意なので、溶接をパコーンと外して、グニャと曲げた。顔が通るくらいの大きさになったら、もう体もずっーと出てしまって、それで出てきたと。」 リンゴに強い執着を見せていたクマ。潜んでいたとみられる住宅街の藪を調査した山内准教授は― 「クマのフンがいたるところにあったので、かなり長い時間そこで身を隠して、おなか空いて出てきて食べて、またそういった茂みで休憩して、そういう繰り返し。周り住宅地なので、人をもしかして襲う、もしくは、どこかの住宅に入り込むこともあったかもしれない。そういった意味では紙一重でしたね。」

■「ガバメントハンター」地方から苦言

11月下旬に入っても、各地で多発するクマ被害… 政府は、クマ対策として「ガバメントハンター」と呼ばれる狩猟免許を持つ自治体職員の人件費支援を打ち出しますが、島根県の丸山知事からは… (島根県 丸山達也 知事)「ガバメントって普通、政府だから、国がやれと、なんでガバメントで地方公共団体なんだと。ガバメントハンターの養成機関でも作ってもらわないとなかなか厳しいんじゃないかという気がします。」

■“クマ撃ち”「経験必要」ハンターに負担

実際にハンター達は… 「装填よし!」 ハンターが銃を構え、いざ狙いを定めると…40m先の的は、木っ端みじんに破裂。 きのう22日、石川県加賀市の散弾銃の射撃場では、北陸の猟友会のハンターらが集まり講習が行われていました。 狩猟免許の有効期間は3年。更新するには、技能講習を受ける必要があります。クマ撃ちについて、ハンターに聞いてみると… (ハンター歴8年 川上武志さん(48))「クマの特性もよく知らないですし、ベテランにしかできないよと思います。」 (ハンター歴6年 鍋嶋浩史さん(56))「命中精度を上げないとクマ撃ちは到底できないと思っています。自分も一生懸命練習して(クマを)撃てるようになりたいと思う。」 これまで10頭クマを仕留めたことがあるハンター暦40年の山崎さん。クマ撃ちの技術は、経験ある先輩から受け継がれてきたといいます。 (ハンター歴40年 山崎広文さん(64))「今年だとこの辺におるんちゃうかなって、いっぺんあっち行ってみようかなって、そういうふうに先輩らが教えてくれたもんだから、初めて銃持った時でも教えてくれて。ほんで失敗するなよって言われて、一発でせんさかいにクマ怒らすんや。怒らすともう止まらんもん。やっぱり先輩から教えてもろとるさかい、どこに(クマが)おるっていうのも…」 「はい弾込め、弾抜け。」 射撃指導員をつとめる奥村さん。ハンター歴50年を超える大ベテランで、今も山に入ってクマを撃っているといいます。 (教習射撃指導員 奥村勝幸さん(78))「急所は頭と首です。やっぱり一発で仕留めるということ。(クマ撃ちの)練習も大事だと思う。クマの場慣れっていうんですか、それもあると思う。」 民間である猟友会にクマ駆除の負担が集中する中、奥村さんはクマハンター育成の仕組み作りが必要だと言います。 (教習射撃指導員 奥村勝幸さん(78))「猟友会に入ってない方で鉄砲を持って、狩猟されている方は結構全国にいるんですよ。そういう方をまた何とかね、お願いするというやつも一つありかな。行政の方でね、考えて頂くというのは大事かなというふうには思いますけどね」

11月23日『有働Times』より

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