港でサンマ300匹。北海道の漁港で異例の入れ食いです。なぜ季節外れのサンマが突然やってきたのか、現地を取材しました。
■異例の“爆釣”1人300匹も
釣りに訪れた人 「引っかかったよ!ほら」 「(Q.いくつ?)5匹!」
同時に5匹も釣れたかと思えば、サンマがまた釣れました。2匹かかっています。
岸からも、きらきら輝く影が確認できるほど。
釣りに訪れた人 「(Q.普段サンマはこんなにいる?)いないってよ。珍しいってよ。根室港にサンマ入ってくるのは」 「(Q.この時期にサンマは釣れる?)いや、今年は特別」
サンマがとれすぎる異例の事態となっていたのは、北海道の根室港です。
地元の人(70代) 「(Q.きのうはどのくらい釣れた?)100匹くらい」 「釣って帰ってお母さんの文句を2、3回聞いて…。『こんなに持ってきてどうするの?』『誰が始末するの?』って」
北海道内から(70代) 「(Q.きょうの目標は何匹?)300匹くらいかな」
そもそも、根室のサンマ漁は8月から9月がメインのはずですが、港は“季節外れの豊漁”に湧いています。
休む暇なく、サンマが釣れ続ける状態。片手でらくらく釣り上げる地元の男性(70代)は…。
「寄ってくるんだ!ほら!」 「楽しいわ。釣りは初めて」
このために買ったという2000円ほどのさおで釣り上げ。最初のバケツがサンマでいっぱいになったということで、今度は炊飯ジャーの中にサンマを入れています。
70代、釣りは未経験にもかかわらず、わずか10秒で釣れてしまいます。
釣りに訪れた人 「三重から釣りに来た。魚を探して」
なんと、遠く離れた三重県から訪れた釣り人も…。
「仲間が欲しいというので、200匹くらい釣ろうかな」
200匹という目標も、もはや現実的に思える中で…。
「お友達に送ってあげようかな」 「(Q.何匹くらい釣れた?)300匹くらい」
目標を大幅に上回るおよそ300匹のサンマを得ていました。
三重から 妻 「出荷やで」 三重から 夫 「みんな喜ぶぞ」
季節外れの“サンマ豊漁”。その味、北海道民の評価はいかに。
■なぜ港に…サンマ大群
北海道内に住む人は、釣ったサンマを自宅に持ち帰って実食。
サンマ300匹以上を釣る 「うまーい!最高だな!脂のりはまあまあだな!」
季節外れのサンマはいつまで楽しめるのか?専門家に聞くと…。
水産研究・教育機構 巣山哲主幹研究員 「少なくとも1~2カ月続くものではない。おそらく数日じゃないか」
では、そもそもなぜ、港にサンマの大群が?
「この時期、水温は沖合から少しずつ冷えて、沿岸の方で少し温かい水が残る。そうするとサンマが冷たい水を避けて沿岸の温かい水の所に集まってくる。おそらくその分布密度が高い海域が根室周辺にできているので今釣れている状態だろう」
北海道のなんとも羨ましいサンマ事情。一方、都内の鮮魚店では…。
中與商店武蔵小山店 前里芳樹店長 「サンマはシーズンが終了して販売していない状況」
ただ、関東のみなさんにも今お勧めの魚があります。
「天然ブリ。量も多くとれていて、うちでは非常に安く提供している。今年はブリも非常にとれるのではという予想も」
年末に向けて需要の高まるイクラなどは、さらに値上がりする予想だということです。