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2025/9/5(金) 19:12

台風影響も…高騰する新米価格 最新農法で「3000円台」実現のワケ

  • #経済

 猛暑と水不足に加え、台風が新米の時期を直撃しています。新米の価格はどこまで上昇するのか、「お米のプロ」に聞きました。

■急きょ収穫早めて“対策”

 関東や東海で大雨をもたらしている台風。その猛威で収穫を間近に控えた新米に被害が出ています。台風の大雨や暴風で稲穂が軒並みなぎ倒されています。

コメ農家 NAO RICE 近藤匠代表 「雨風の影響で稲刈り前の農家は倒伏被害や収量が低下する懸念」

 こちらの農家では去年も収穫前の新米が台風の被害に遭いました。

コメ農家 NAO RICE 近藤匠代表 「倒伏してしまうので品質の低下、作業のコストが重なった」

 台風被害を減らすために急きょ、収穫を早めて対策。ただ今後、台風などの影響で新米の価格が上がる恐れが…。

コメ農家 NAO RICE 近藤匠代表 「一部、甚大な被害が出るところもあるのかもしれない。各地で日照り、長雨、線状降水帯、水につかって品質や収穫量が下がってしまう。ますます新米の価格が高くなる可能性は大いにある」

■新米食べ放題 店の苦悩

 飲食店では新米の価格高騰に頭を悩ませています。

 自社農場で育てた豚肉の料理を提供する店では、地元・千葉県産の銘柄米「多古米」の新米を農家から仕入れています。ところが…。

恋する豚研究所 香取紗也加店長 「月に8から9万円コメ(仕入れ値)の値上がり」

 新米が値上がりしているなか、ご飯おかわり無料のサービスを行っています。

 新米を目当てに来た親子も、ご飯の箸が止まりません。新米の味をじっくりとかみ締めます。

60代の人 「(Q.新米は?)おいしい。家で今、備蓄米を食べているので。(今年)初めて」

 ご飯のおかわり無料は今後も続けていくといいますが…。

恋する豚研究所 香取紗也加店長 「定食の値上げや物販の値上げは、やむを得ずやっている」

■立ちはだかる「1kg1000円」の壁

 新米を含む銘柄米の平均価格は4272円で高止まりしています。

農家産直米すえひろ 荒金一仁代表 「(Q.これが新米?)新米。新潟県産ゆきん子舞」

 新米の価格はどこまで上がるのでしょうか。コメのプロに聞きました。

 5日に入荷した新潟県産「ゆきん子舞」の新米です。

 新米が高騰しているなか、数量限定セールとして玄米1キロあたり1200円から210円値引き。990円で販売する訳は…。

農家産直米すえひろ 荒金一仁代表 「ラーメン店で『1000円の壁』があるとは聞くが、経験上、令和6(2024)年産から1キロ1000円を超えると帰ってしまう客が多い」

 立ちはだかるのは「1キロ1000円の壁」。仕入れ値が去年の1.3倍になったことで本来は玄米1キロ1200円で販売しないと十分な利益が出ないものの、1000円未満にしたといいます。

農家産直米すえひろ 荒金一仁代表 「(価格を)死守したいが、通帳が空になるほど切実な問題。適正価格で売れるものがないと持続可能にはできない。これからもコメが高い状態で客が納得するか、懸念材料」

■新米価格 どこまで上昇?

 今後、新米5キロの価格は、どれくらいになるのでしょうか。

農家産直米すえひろ 荒金一仁代表 「これからコメどころの収穫が始まる。農作であれば5キロ4000円くらい。逆に不作であれば4000円台後半、5000円に近付くかもしれない」

 コメの流通に詳しい専門家の価格予想は…。

流通経済研究所 折笠俊輔主席研究員 「豊作になって安くなるほど明るい見通しでもない。雨が続いたり台風がまた来たら分からないが、今の段階だと今までと変わらない5キロあたり4200円から4500円になる」

■新米“3000円台の秘密”

 コメの価格が高騰するなか、割安の新米が登場しています。

コメ農家 じゅんちゃんファーム 宮本純代表 「5キロの精米、送料込み3996円でまずやってみよう」

 新米5キロを送料込みの3996円で販売します。静岡県の農家が今年の新米から始めた新たな取り組みです。

 なぜ、相場よりも格段に安い価格で届けることができるのでしょうか。

コメ農家 じゅんちゃんファーム 宮本純代表 「コストを抑えてたくさん収穫量が確保できるようになった分、おいしいコメを届けられればという思いで価格設定した」

■カギは「再生二期作」

 収穫量が大幅に増える見込みとなった訳は年に2回収穫することができる「再生二期作」にありました。

 収穫が始まった田んぼを見ると、稲の根元が40センチほど残っています。

 再生二期作は田植えが春の1回のみ。この時期に1回目の収穫を行い、その後、切り株から稲が再生して11月に2回目の収穫ができます。

 地元の運送会社と手を組んで1回目の収穫でとれた新米を届けます。

運送会社 あかつき 立花雄一代表 「できたてホヤホヤの『にじのきらめき』、きょう届ける」

 他の食材の配達とともに新米も届けてもらうことで運送のコストを削減しています。

運送会社 あかつき 立花雄一代表 「農家も生活していかなきゃいけないし、持続させなきゃいけない。次世代に残していかないといけない」

 現在、新米の配送は静岡県内のみですが、今後、範囲を広げていきたいといいます。

コメを購入 三喜旅館 堀越留美子女将 「農家さんから直営で、お値段も手頃で安くておいしいなら、物価が高いので商売していくのに助かる」

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