香港の裁判所は政府に批判的な論調で知られた「リンゴ日報」の創業者・黎智英氏(77)の裁判について、約5カ月ぶりに審理を再開しました。
香港政府に対して批判的な報道で知られた日刊紙「リンゴ日報」は香港の国家安全維持法の成立後、徹底的な弾圧を受けて2021年に廃刊に追い込まれました。
創業者の黎智英氏は「外国勢力と結託し国家の安全に危害を加えた」などとして、国家安全維持法違反の罪で起訴されています。
現地メディアによりますと、黎氏の裁判は2023年12月に始まりましたが、今年3月以降は審理が行われていませんでした。
その後、今月15日になって審理が約5カ月ぶりに再開され、黎氏も一時、出廷しましたが、この日は黎氏に動悸(どうき)などの症状が出たと弁護側が訴えたため、審理は18日に延期されたということです。
18日の審理以降は、これまで20日にかけて3日続けて審理が行われていると伝えられています。
傍聴に訪れた支援者は15日の黎氏について「まるで別人のように痩せ細っていた」と話しました。
黎氏はすでに詐欺罪などで有罪判決を受けて4年半以上、身柄を拘束されていて、家族や支援者からは健康状態の悪化を懸念する声が上がっています。
今回の裁判は欧米各国からも注目されていて、アメリカのトランプ大統領は14日のFOXニュースのインタビューで「(黎氏を)救うためにできることは何でもやるつもりだ」と述べました。