Youtube

YouTube

News

ニュース
News
2025/8/14(木) 12:14

【戦後80年】終戦前夜に“日本最後の空襲”「風化させない」語り続ける 

  • #社会

 終戦前夜となる80年前の14日、秋田市では「日本で最後」とされる空襲がありました。ただ、公的な記録は少なく、空襲を生きのびた女性は風化への危機感を強めています。

 土崎地区に伝わる伝統行事。祭りを見つめる伊藤津紀子さん(84)は終戦の前夜、この地で起きた土崎空襲を体験しました。

 終戦前夜から翌未明にかけ、アメリカ軍が日本石油秋田製油所を目標におよそ1万2000発の爆弾を投下。地域住民や子どもを含む民間人96人が犠牲になったとされています。

 当時5歳だった津紀子さんは、自身の体験を地元の子どもたちに伝える活動をしています。

伊藤津紀子さん 「うちで掘ってる防空壕に連れて行かれました。うちのおばあさんが駆けて来て、『ここにいれば皆死んでしまうから、山に逃げねばいけね』。帰ってきたら家はなくて、大きな穴が2つ開いていました。自分の人生がそこで終わっちゃうんだよ。12歳とか13歳で」

津紀子さんの夫 伊藤紀久夫さん(85) 「風化させないように考えています。地元の小学校の子どもでさえも、自分のおじいちゃん、おばあちゃんから空襲のお話聞いたことがあるか?と聞いて、誰も手を上げる人がいないのにびっくりしました」

 子どもたちが学ぶ教科書にある変化が起きています。秋田市などで使用される小学6年生の社会の教科書。空襲の被害を示す地図で、昨年度改訂版から秋田市土崎地区を示す印が消えました。

 出版する東京書籍によると、「特に被害が大きかった都市名を加え、学習をより深めやすくしたい」とのことです。

 津紀子さんは「戦争を知らない子どもたちに、秋田には空襲がなかったと思われてしまうのではないか」と危機感を募らせています。

 土崎空襲は民間人の犠牲者についての公的な記録がないため、津紀子さんの夫・紀久夫さんが会長を務める「土崎港被爆市民会議」が公開に向けて一人ひとりの身元の調査を進めています。

伊藤津紀子さん 「やっぱり戦争はだめだ。(戦争を)起こさせないために、秋田にも土崎にも空襲があったと知ってもらうためにこれ(伝える活動)をやりたいと思ってますね」

 体験した“本当のこと”を必死に伝え続けてきた津紀子さん。「最後の空襲」の記憶と記録を残すため活動を続けます。

NCC News

長崎の新着一覧

ANN News

全国の新着一覧
サイトマッププライバシーポリシーお問い合わせ

Copyright(C) NCC 長崎文化放送 . All rights reserved.

This programme includes material which is copyright of Reuters Limited and other material which is copyright of Cable News Network LP, LLLP (CNN) and which may be captioned in each text. All rights reserved.