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2025/8/5(火) 17:40

なぜ暴発「低空開発」とは 横浜 花火打ち上げ船爆発炎上

  • #社会

 横浜市で花火を打ち上げる台船の火災で、打ち上げを中止する操作をしたにもかかわらず、機械が止まらなかったことが分かりました。

 楽しいはずの花火大会が突如として緊迫の現場に。激しい爆発が数万人の観客の目の前で起きていました。

 横浜市のみなとみらいで花火大会が始まったのは4日午後7時半ごろ。夜景の真ん中、水上に打ち上がる2万発の花火がこの後も見られるはずでしたが、最初の異変は打ち上げ開始からわずか10分後でした。

 海面の近くで花火が爆発。その後も高く上がることなく花火が開き始めたのです。

 観客が捉えた映像には低い位置から上がる花火とともに、オレンジ色の炎と黒い煙が確認できます。

 横浜海上保安部によりますと、海上から花火を打ち上げる台船8隻のうち、2隻から火が出たということです。

 客席では、急に音楽が止まると…。

アナウンス 「ご来場の皆様にご案内します。花火の打ち上げの途中ですが、安全上の理由により、この時点で中止とさせていただきます」

 詳しい状況が分からず、困惑する観客の目の前でも花火は低空で炸裂(さくれつ)し続けました。

 観客席の目の前まで放物線を描き、向かってくる花火も…。

 映像が撮影された客席があったのは火が出た台船にも近いエリアでした。

撮影者 「離れているが、花火の筒が倒れてこっちに向いたらこっちに来てしまうので、それだけは怖かった」

 同じころ、主催者側は…。

通報(午後7時50分ごろ) 「花火を打ち上げていた船が制御不能になった」

 船に乗っていた作業員5人は海に飛び込み、1人が病院に運ばれました。

 大会の中止後も制御できなくなった船から花火は上がり続けました。

 消火活動も難航する花火火災は、なぜ起きたのか…。

防災対策ナビゲーター 元小田原市消防本部 永山政広氏 「海上だからということではなく、地上でも十分起こる。決して珍しい現象ではない」

 過去には同じ場所で大事故も起きていました。

 花火大会で発生した火災は発生から約15時間後の5日午前11時すぎ、ようやく鎮火しました。

 5日、横浜市への取材で新たに分かったのは火災が起きた直後のことです。

主催者 「花火を打ち上げる機械が制御不能になった」

 花火師らは花火を制御するコンピューターで打ち上げ中止の操作をしたのに止まらなかったことが分かりました。

防災対策ナビゲーター 元小田原市消防本部 永山政広氏 「打ち上げが不良で事故を起こすのは度々、起きている。おととしは年間20件くらい」

 3日には淡路島で行われた花火大会でトラブルが…。

 横浜市では過去に死亡事故も起きています。1989年に開催された花火大会では打ち上げ花火が地上で暴発、引火し、作業員2人が死亡しました。

防災対策ナビゲーター 元小田原市消防本部 永山政広氏 「過去にも筒が傾いただけで観客の方に飛んでいった事故も起きている。爆発の衝撃で(筒が)傾いたりして飛んでいくことは十分あり得た」

 今回の花火炎上は、なぜ起きたのでしょうか。

防災対策ナビゲーター 元小田原市消防本部 永山政広氏 「打ち上げ用の火薬に点火して、花火本体に着火という順番がいい。先に本体に点火すると筒の中で破裂を起こしたり、十分な高さに上がる前に本体に着火すると、低いところで着火して危険な状態になる『低空開発』が起きる」

 着火のタイミングが炎上を招いた可能性があるといいます。

防災対策ナビゲーター 元小田原市消防本部 永山政広氏 「火薬というのは一度トラブルを起こすと、そもそも危険なものがたくさんそこにあるので、次々に引火すると悲惨な事故につながることもある」

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